DRIVE TO 2010

今月はなにやらロフトは連日イベントの様な状態。1つぐらいは何かと思って、選ぶ。それは6日の<オルタナティブ・フロンティア>ではなくて、今夜の<非常階段30周年記念特別ライブ>。閉店記念のAMSを結局2回使い、非常階段と原爆オナニーズのCDをヘヴィロテ。それと、とにかく1度原爆オナニーズのライブを見ておきたかった。そのうち見る事になると思っていた頃は結局そうならず、気が付くとそういう場と離れた音をメインに聴いている。その事自体は自分の変化なので別に良いのだけど、変わらない部分が欲するものはあるわけで、それが1度は原爆オナニーズを見たいという気持ちにさせていた。先月下北のハコでも似たようなイベントがあったのだけど思い切れず、でも今夜はメインが非常階段、さらに遠藤ミチロウのユニット、そしてそれらが合わさったスター原爆階段。足を向ける理由はこれ以上は難しい。



オープニングはとうめいロボJOJO広重のお気に入りのシンガー。サポートの添田雄介というギタリストを連れた状態ながら、自身もギターを弾きながら歌う。ある意味、アングラの流儀ともいえるPhewからの流れの歌唱。だけど言葉の扱いは異なりパンクから離れた詩的。ちょっと場に合わないけれど、何かあるなあと思っていると、バー側のステージに移動する客の開ける扉から音が漏れてくる。どうも女声のパンクなバンドが演奏をしているっぽい。それがマッシュされる。その音に気付いて移動する客が増え、残念ながらとうめいロボの音を聴く為の集中力は断ち切られた。時間をずらせばいいだけなのに。この辺、ロフト側の対応に問題あると言いたい。とはいいながらも、オレも1本タバコを吸いたいという理由でそこにタバコ1本分の時間移動。なかなかカッコよかったな。



メインに戻ってとうめいロボを見て、そしてセットチェンジ。なのでまたバー側に移動するとすでにそのバンドは終わっていて、ビールを買ってタバコに火をつけると今度はドラムマシーンを使ったギター&ベースの女の子2人組み。MCによると本来ドラムはいるのだけどのっぴきならない用で今夜はオミットだとか。バンドとしては折角のチャンスじゃないのか?とか思いながらその緩めの演奏を聴いているとメインの扉が開いた時に強烈なノイズが飛び込んでくる。非常階段が始まった。即移動。



King of Noiseとしてその名前よく知っていたけれど、CDはこの間はじめて買ったし、そんなタイミングでその30周年のライブを見れるのはついている。広重以外の面子は流動的なイメージなのだけど、Incapacitantsの2人と女声ボーカル、それとドラムが加わった編成。当然、いわゆる「音楽的」ではない。一本調子にノイズを張り上げる。だけどこれも、ある種の即興音楽で、このテンションをずっと持続しながら音を発する様は流石の磁力。



非常階段も終わりまたしてもバー側でタバコとビール。ステージではちょっとグラインド気味のハードコア。なかなかカッコいい。スクリームがあればかなりいい感じ化けそうなバンド。とか思っていたけど、そろそろ遠藤ミチロウ&久土'n'茶谷かと思いメインに戻る。



Touch Me Babyとして中村達也との演奏を見た印象がまだまだ残っているミチロウ。今夜はドラムに茶谷、サポートのギターに山本久土を加えた編成。Touch Me Babyよりもロック色が濃くなる。スターリンとかミチロウのソロ名義での曲と思われるものが演奏される。パンク的な勢いでの性急感はなく、ハッキリとロックとして演奏しているように思った。そうする事で、歌の部分は見えやすい。これはミチロウが歌い続けて得たものなんだろうな、とか。



セットが終わり、バーに移動してタバコとビール。ステージでは、この日のバー側では一番知名度のあるらしいバンド。なにやらIggy的なパフォーマンス。かなり混みこみなのでさっさとメインに戻る。すると割と早めにセットチェンジが終わり、原爆オナニーズ登場。どうもバー側と被らない予定だったみたいなのだけど、フライングする、と、タイロウ。



パンクなバンドに対する演奏力のイメージは覆していた。もっとワイルドに勢いだけで押し切るのかと勝手に思っていたけれど、腰が据わっている。縦に振れる曲がメインではあっても、頭でリズムを取らなくてもいいというか、タイトでルーズもちゃんと持っていて、バンドの音が実は柔軟。ライブを見てしまうという不安はあったのだけど、カッコよくてよかった。これからもCDを聴く理由が出来た。



セットが終わりバーに移動、タバコとビール。こっちでの演奏は終わったっぽい。



メインに戻り原爆階段。タイロウとIncapacitantsの八二分けの人のヴォーカルで幕が上がる。CDで聴いていたのと同じ様に、カバー曲と原爆の曲を演奏。「Communication Breakdown」とか、かなりカッコいい。非常階段のノイズで隙間が無くなるけれど演奏を壊すような真似はせず、セッション的と言い切ってしまう様なよそよそしさもなく、こっちも結構イケル。



セットが終わりバーに移動、タバコとビール。こっちでの演奏は終わっている。なんか寂しい。



最後はいよいよ原爆スター階段。このセットは・・・。演奏されたのはスターリンの曲で、音は当然かなり分厚い。ミチロウとタイロウのヴォーカルが同時に聴ける贅沢。が、この後はステージから客席に色々投げ入れ大会。ミチロウの消火器の様なもので粉を吹き散らすことから始まり、Incapacitantsの八二分けじゃない方が自分自身になんか泥パックみたいなもの塗りつけているし、恐らく演奏には殆ど参加していない広重も自らワックスの様なものをかぶったり、サンマとか色々わけのわからんものを客席に投げつける。姿が見えないタイロウは、しっかりステージの脇の方に移動していた・・・。投げられたものをステージに投げ返しだす客側。しっちゃかめっちゃか。笑いました。