2015/10のライブ観賞 13本

10/2
「奇跡」初演は成功しなかったけど、このアグレッシヴな試みに足向けしてよかったと思う。でもこれ、賛否両論になるべき。これを否定的に捕らえる人がいないとバランス悪い気がする。だからってオレが嫌われ役を引き受けるつもりは無いけど。

10/3
グッドマンのダウトフェスに足向け。面子が豪華すぎて1stにアルタード・ステイツという配置。 このハコでASを聴くのは初で、音の尖り具合がヤバい! 内橋和久と芳垣安洋のテンション高めに同期する音の裏でナスノミツルが音数を絞ったベースを差し込んでくるとこに悶絶。
2ndはドラ☆美保+mn。猛烈なアンダーグラウンド。若林美保のキレイナカラダの後ろでオッサン3人が発するノイジーな音とレーザー。ライブという現実感が全く無いけど、ライブでしか見る事が出来ない。
トリはONJT feat.山本精一。ONJTってちょい久々? 大友良英山本精一のギターの対比も面白いのだけど、水谷浩章がアコベの弦をギーギーさせた音が一番アグレッシヴ。

10/4
ちょい久々にphewエレクトロニカソロを聴いたのだけど、前はフロア向けに仕上がっていたのに今夜は音楽的な展開に変わってて、揺れるよりも聴き入らせる。朴訥してるような電子音とphewの声の絡みはインパクト強いヤツ。
空気公団灰野敬二はマスロック気味な空気公団の音の上に灰野の音がかぶさり捲くるのでマッシュみたいな展開もありつつ、実はちゃんと下地があったようで、はまり方とか外れ方とかかなり巧妙。でも、あざといのとは違う。

10/8
最初にアンドレアス・バットリング+石橋英子のデュオ。バットリングのエレクトロニクスな音に石橋が鍵盤とフルートを使って即興で絡むという感じ。Tapeってニカ界隈では知られていない名前なのかもしれないけれど、こういう演奏こそそういう人たちに聴いて欲しい。という類のセット。
フォークトロニカのセットがあって、カフカ鼾+ジョー・タリア。カフカ鼾にゲストが加わるとあの隙間が埋まってしまうんじゃないか?という危惧があったのだけど、タリアのドラムはそこをギリギリ埋め切らずに音を足してる。行ったり来たりするあの音聴きながらずっとニヤニヤしていたい...。
トリのジム・オルーク+ヨハン・バットリング+アンドレアス・ヴェルリーンは、ヴェルリーンがロック気味にアグレッシヴなビートかまして、バットリングがフュージョンの様にツルツルしたグルーヴ。オルークのペダルスティール(?)はらしい音しつつも終盤はヘビメタだった!w

10/9
「あれ?、Tapeってこんなんだっけ?」って思うぐらいメラメラのメランコリック。なんか記憶違いしてるのかもしらん...。途中でドラムが加わって、最後に植野隆司がサックス(!)で加わって、なんかLMOみたいになってたな。
Time is A Mountainはどんな演奏するんだろう?って思ったらなんとレゲエ! けど、ドラムが叩き過ぎるのでレゲエのグルーヴとは微妙に違う...。でもこのバンド、レゲエのバリエーションとしては面白いかも。

10/10
tenelevenはあえて当て嵌めるとジャーマンプログレだと思うのだけど、それにあるつまらなさはカットされてる。暗くてヘヴィーなのに重くなりすぎない。猛烈に知性的。

10/11
奇形児ってパンク扱いだけど音はHR〜HM感が強いし歌詞もデスメタルしてる。時々いかにもなギターソロがあったりして、でもそれが嵌っててカッコいい。どうしようかと思って忘れてた去年出たアルバム買おう。
シンプルな編成の非常階段をみるのは結構久々。ノイズの看板みたいなバンドだけど、それよりもアグレッシヴな音楽のハードコアだと思う。今の非常階段がステージ上からのパフォーマンスが無くなった事でそういう風に思うのかも。
非常階段の音が撒かれた後に原爆オナニーズ。さすがに順番逆だった方がよかったんじゃ?って思ってたのだけど、ここは流石のパンクなグルーヴでモッシュやダイブが発生。やっぱこのバンドが無いと困る。
合体で原爆奇形階段。ここまででヘロヘロになっているので大人しく見ていようと思ったのだけど、アイアンメイデンとかエアロスミスとかゼップとかって「素晴らしきロックの世界」状態かまされて結局ヘロヘロ倍増...。

10/12
ピットイン昼の部で今井和雄&広瀬淳二&沼田順。強烈にアグレッシヴな2セット&アンコール。昨夜やられた耳に聴いた事の無いような音が飛び込んでくるという貴重な体験をしてしまった…。

10/20
中村達也&スガダイローの赤斬月。全力で音がぶつかりまくったフリージャズなのだけど、他のフリージャズでは聴いた事が無い陽性の方向。あちら側の客があまり見当たらない感じだったけど、こちら側も楽しいんだよ。

10/22
ちかもらち&坂田明灰野敬二。1st、灰野敬二がフリージャズなギタリストと化す時間が多くて、結構レアな演奏。しっかし、クリス・コルサーノのドラムはヤバスギルな…。
2ndはロック気味な灰野敬二のギターから始まりつつ、短く音楽が変化した。音の情報量が半端なくて、4者の自在な演奏が圧倒…。あーオレ、ダーリン・グレイのベースの音がたまらなく好きなんだよな。アコべであれだけ多彩に音出してくるの、ニヤニヤが止まらん…。

10/23
田中泯の動きに目を奪われつつ、坂田明&ちかもらちの音楽に圧倒された。客席の大多数を田中泯のファンが埋めたことで音楽のライブとは違った緊張感があって、それが音圧に頼らない演奏の音を細部まで聴く事が出来た。なので田中泯のファンの人達にも感謝の気分。

10/24
1stの「String Quartet」はドローン。3つのヴァイオリンとチェロという組合せに、ジム・オルークがラップトップで主に低周波の音を入れ込む。多分弦楽器の音も幾らか弄ってる部分があると思うのだけど、時々眠気を誘いつつ、でもちゃんと耳に残る。
2ndの『Simple Songs』全曲演奏は、序盤はいかにもホールな響きの音にちょっと「んー」という気持ちはあったけど、結局慣れるし、『Simple Songs』の楽曲の粒揃いさをライブで確認すると、なんともいえない気分。それと、ジム・オルークの歌唱力に参った...。
アンコールはベースがダーリン・グレイ、ドラムがまさかのグレン・コッチェという布陣。グレン・コッチェ、このライブの為だけに来日したのだろうか? 来日してる事を全く知らんかったので思わず声をあげた...。
1人のミュージシャンの名前で1stと2ndが全く違う音楽になるって凄まじいな...。なんかもうこれは、とにかく見逃さなくてよかった...。

10/25
ジム・オルーク草月ホール、2日目の1st。『Bad Timing』の再現凄まじかった。時折ノイジー撒き散らして「『Bad Timing』ってこんな音楽だっけ?」ってな音。山本達久のドラムのスピードもヤバいし、昨日からオレの耳を惹きつけまくってる波多野敦子のヴァイオリンに惚れた。
2ndのJazz Trio and Big Bandは1stの記憶を消し去りそうなヤツだった...。この演奏は、坂田明&ちかもらちのフリージャズにブラス・アンサンブルとピアノをジム・オルークが指示して加える。という感じ。
坂田明&ちかもらちの演奏がブチ切れたかのような暴れっぷりで、それにブラスが対位法みたいに絡むから聴いてるだけでフラフラな気分...。ぶっちゃけ、ハーシュノイズよりも凶暴だった...。