浜田真理子

数年前、タワレコでプッシュされている時に試聴して購入したのが、浜田真理子の1stアルバム『Mariko』。

当時はまだインディーからのプレスで(今でもインディーだけど)、真っ黒な背景に「Mariko」とだけ書いてあるジャケットが印象的だった。1曲目の「The Crow」だけを聴いての購入だったけど、それ以外の曲も期待を裏切らない。ピアノを弾きながらのウェットな質感の歌、これらは全曲彼女自身が作ったもの。ただ、一つ気に入らないところがあって、最近まであまり聴き返すことが無かった。

それは彼女の日本語詩の歌。英語詩の歌はゴスペル的な情感さえ漂わせるものなのに、日本語詩の歌は演歌に聴こえる。ところが世間では、このアルバムに収められている「のこされし者のうた」という、日本語詩の歌の評価が高い。このズレが気になってその後の浜田真理子はノーチェックだけど、このCDをMP3に変換して、日本語詩の歌を再生から外し、優れたボーカル・アルバムとして聴いている。

ジャズ・ボーカルの範疇に分類される事が多いけど、Laura Nyroの様な、シンガー・ソングライター的な資質が高い。だから、ジャズ・ボーカルをあまり好まないオレでも、この歌声を素通りしなかった。