〜流れ〜

「即興とかそれ含みのライブ」に大分心奪われたので、そろそろ本来の自分を取り戻したい。奪われたものは取り戻さないといけない。

んー、これより1stアルバムの、勢いのある硬い感じのがカッコいいよな。というか、ちょっとこれじゃああれ。結局残念ながら、自分は自分でしかないという当たり前を確認したい。なので気分的にはこっちか?

自分の気分を表す歌の引用が日本語で80年代の歌ってのがオレの限界。
で、取り戻しに向かいに池尻大橋のROCKERROOM。花田裕之の弾き語り。確か前回も雨の中を向かった記憶があるのだけど、今夜も雨。雨の中バスは走り出す。
自分の住所の近くでこういうライブを見る事が出来るというのは幸運でしかないと思う。花田が出てきて、アコギを弾きながら歌う。時折ハーモニカも使う。たったそれだけのライブ。だけどそれで、サクっと取り戻す。というか、帰ってくる。つーか、オマエの居場所はアートなとこだったか?って、呼び戻される。始まった瞬間、そうなる。これがポピュラー音楽の強靭な力。歌の持つ強み。言葉という、当たり前の確認。『〜流れ〜』は、こんな風にライブされる。

まるでジャズ系の様に休憩を挟んで行われる。だけどその休憩時間はキッチリ15分。ちょっとホッとして、トイレに行ったり煙を吹かしたりアルコールを追加したりして一息つくと2ndが始まる。そこからまた、特に大きな変化を使わずに歌がはじまる。だけどそれでまた引き込まれる。
強烈な一節、「夜より暗い昼間の街角」。どこかで聴いたような気がしたけど思い出せない。戻ってきてわかった。『φ』の「Street in the Darkness」。柴山俊之が詩を書いて、元々はもちろん大江慎也が歌っていたこの歌は、殆ど記憶に無かった。だけど今夜花田が歌う事で、この歌が入ってきた。大江の代わりだったはずの花田の歌は、今のオレにはそれじゃない。この人が今のオレの1番のアイドル。男が男に惚れてどうすんだ?って思うかも知らんけど、仕方ないだろ。カッコいい男には、女だけじゃなくてヘテロな男も惚れる。たったそれだけの話。