Atomic

東京2daysの楽日、当然ピットイン。



1stの中盤まで、正直言って少しボーっと聴いた。まどろむ時間もあった。昨夜と比べて、特に良いとかダメとかじゃなくて、まあ、そんなに変わんないかと。昨夜は頭からずーっと取り込まれたのに、それを経験しているので流石に今夜は昨夜の様には持っていかれないなあ、と、本音。

それが、4曲目あたりで変わる。バンドの熱が一気に変わった気がした。しつこいけどそれまでもPaal Nilssen-Loveの激しいドラミングはあったし、昨夜に劣るという事はなかった。だけどなんなのかよく覚えていないけれど、ここで変わった。特にこの曲が好きというものはないので、そういう理由でもない。

そこから先、アンコールも含めて脇目振れず。テンポのあるアグレッシヴな曲ばかりが続くわけじゃなく、例えば無伴奏でMagnus BrooとFredrik Ljungkvistの2管が室内楽の様な浮遊感を奏でたりする。その音の心地よさに聴き入ると、他の3者が絡んでジャズのそれをねじ込んでくる。多分、そこから先が違った。曲のテーマに戻る面白さから一歩外れていた。それこそがAtomicなのに、そこを超えてきたと思う。それは良し悪しじゃないけれど、ジャズにフリーインプロ気味の展開を持ち込んで、プログレッシヴな展開をもったいくつモノ楽曲が、より、そういう強さを見せていた。



思い出した。1stの中盤はあれだ、Havard Wiikがピアノの内部演奏をしたはずだ。昨夜もあったかもしれないけれど、視覚的に確認できなかったので今夜Wiikのそれに驚いた。そして終盤に近づくほどに力の増すPNLに圧倒されて、いくつモノ語法を持ち込むLjungkvistを注視して、真正面から切り込んで吹き鳴らすBrooにしてやられた。消えまくっているIngebrigt Haker Flatenのベースは、音量的にもそれを狙っているように思った。



恐らく今夜の客席は昨夜よりも1割は少なかったはず。だけど、盛り上がり方は負けていなかった。というか優っていた。だから2曲のアンコールという応えをしてくれたのだと思う。