Atomic

ピットインのハウス・ドラマーPaal Nilssen-Loveが、名京阪でのウォーミングアップを終えたAtomicのメンバーとして戻ってきた(マーク・ラパポート氏のMCを勝手に要約)。



1stセット、結果的に個々の音を拾う。今までの印象よりIngebrigt Haker Flatenのベースの音が少し小さい。テクニカルに音が鳴っている感じはあるけれど、棘の少ないテナーとクラリネットを持ち替えるFredrik Ljungkvist。マークさんが書いたと思われるフライヤーでDon Cherryが引用されていたトランペットのMagnus Brooは、楽器を鳴らしきるタイプに感じられ、オレとしてはLee Morganがイメージ。一見アッピール度が低く感じられるHavard Wiikは、実は絶妙なバッキングで音を差し込む。そしてPNLは、流石のドラミングと、高圧的なソロで場を魅了。

だけど1stは面白く思わなかった。個々の音はいいのだけど、なんとなく「だから?」という気分。でも周りは盛り上がっている。という事は、やはりオレはAtomicとは相性が悪いのかもしれない。でも、まあ、それぞれの音を聴いているだけでも十分だな。と、そういう事を休憩中に考えていた。

ところが2nd。Atomicというバンドが出てくる。音が渾然一体。怒涛になる。テンポの速い曲はもちろん、そうじゃない曲でも演奏が固まってくる。フロントだけじゃなく、リズム隊も含めてアンサンブルしている。

Atomicはジャズに括られているけれど、ジャジーというイメージの音色から離れている。そしてその楽曲も、複雑な構成となんとなく変な感触のテーマを持っている。個人的にはジャズとしてはわかりにくい類のバンドだと思うのだけど、それなのにジャズを聴いたという感触を強烈に残す。



明日も当然。




Jリース発足当時、オレは名古屋グランパスを応援する事に決めた。それは自分がドラゴンズファンである事と絡めて名古屋のチームを応援するほうがわかりやすいし(とは言っても名古屋とオレは何の関係も無い)、それよりなにより、Jリーグの目玉選手、リネカーの加入が大きい。だけどそのリネカーは使い物にならない状態で、グランパスは低迷。なんだかなという気持ちの頃、あのストイコビッチの加入。サッカーファンにとっては、90年W杯での印象の強いあの選手がグランパスに。だけど、Jリースに来るという事は都落ちなわけで、この選手も使い物にならないのかと思ってた。だけど大間違い。ストイコビッチは、日本人にサッカーの楽しさ面白さ美しさを思いっきり見せ付けた。そして、それがJリーグという弱小のリーグでの活躍であっても、制裁の解けたユーゴスラビア代表の10番として国際舞台にも立って見せた。

そのストイコビッチが引退し、なんとなく気が抜けて、Jリーグをあまり気にしなくなったのだけど、ある時、地方のファンが地元のチームをそれだけの理由で応援している姿を見て、オレもグランパスじゃなくて東京のチームを応援しようと思った。そしてFC東京じゃなくてあえて東京ヴェルディを選んだ。それは、ヴェルディが悪役に変わった事に対するオレの天邪鬼な部分が作用した事と、Jリーグ以前、マトモなサッカーをやっていたのは日産と読売だけだったという、古いサッカーファンとしての気持ちも加味している。その後ヴェルディはJ2落ちし、そして今期、J1に戻ってきた。当初はまあまあの状態だったけれど、折角戻ってきたフッキが去ってしまい、代わりとして期待された大黒が活躍できず、1年でJ2に逆戻り。残念な結果。

でも、これが野球なんかには無いサッカーの面白さ。来期、死に物狂いでJ1に戻ることを目指して、1年で戻れ。そしてファンは、厳しい目で、でも愛情を持ってチームを鼓舞する事を忘れてはいけない。