Henry Kaiser

Elliott Sharpと似て色んなところで名前を見かけるせいで、なんとなく器用貧乏なイメージの強いHenry Kaiser。だけどそれはいついかなる場面でも、必ず見せ場を作る技量を持ったギタリストであるという事の証明だと思う。

Kaiserの名前を気にするようになったのは、Derek Baileyとの『Wireforks』というアルバムからだった。Baileyは自身がギタリストである為か、あまりギターとの競演を好まないという話を聞いた事がある。そのBaileyとデュオでアルバムを作ったKaiserは、そこでもさすがのプレイを聴かせていた。

そして最近出た新しいアルバムは、『Domo Arigato Derek-Sensei!』という、タイトルからもわかるようにBaileyへの追悼盤。内容は、1曲目のKaiserによるBaileyへ捧げた曲以外は70年代から現在までの色んな録音が使われていて、最後の曲にはBaileyとの競演が収められている。

その内容は勿論文句なしだけど、一番目を引くのはこのアルバムのジャケット。Baileyの『Solo Guitar Vol.1』をなぞらえたこのジャケットと、シースルーのCDトレイの背面写真にBaileyのレコードを持ったKaiserの写真を使っていて、KaiserがいかにBaileyを尊敬していたかを伺い知る事ができる。



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Henry Kaiser 『Domo Arigato Derek-Sensei!』