Liam O' Maonlai

Hothouse Flowersというアイルランドのバンドがあって、彼らはオレが高校生の頃に『People』というアルバムでデビューした。このバンドを当時U2が絶賛していて、そういう後押しもあってメジャーに出てきたと思う。そしてその『People』はストレートにソウルフルな音で、特にVoのLiam O' Maonlaiの歌は、その声質がオレの好みだった事も有り、結構惚れこんだバンドだった。そしてこのバンドは熱い気持ちを持ったバンドで、湾岸戦争当時に来日公演を行って、「War」を歌ったという記事があった事を思い出した。

デビュー時に比べればすっかり名前も聴かなくなったけれど、それでも解散するでもなく地道に活動を続けていて、一昨年も彼ららしい音のアルバム『Into Youre Heart』を出していて、それを聴いてなんとなく嬉しい気持ちになった。そして今回、VoのLiamがいよいよソロアルバムを発表し、これは絶対に聴く必要があるという事で、ホントはレコファンで購入したかったのだけど、マイナーなレーベルからの発売という事もありレコファンでは手に入らず、先々週のタワレコでダブルポイント期間に購入。最初にロックのコーナーでLiamを探すも見つからず、Hothouse Flowersの仕切りにあるかと思ったら、なんとHothouse Flowersの仕切りが無い。「マジかよ・・・」と思いつつ、ワールドミュージックコーナーに行き、やっとLiamのソロを発見。ちなみに、ここにもHothouse Flowersの仕切りは無かった。

Hothouse Flowersは、所々アイリッシュ的なものを感じるところはあるのだけど、やはり音のイメージと言うのは、ソウルフルなロック。だからLiamのソロもそれに準じたものだろうと思っていたのだけど、『Rian』はいい意味で期待を裏切ってくれた。この『Rian』は、ロックやポップスといったポピュラーミュージックでは無く、アイリッシュトラッドとでも言うべき音で構成されている。歌なしのトラックも多く、フルートを使った演奏などでは、その息遣いまで聴こえる。演奏の大半はLiam本人によるもので、何も知らずに聴けば、この人がロックバンドのVoであるという事に気づかなかっただろう。それぐらい、付け焼刃では無い音に仕上げられていて、思わぬ形で素晴らしいアイリッシュ音楽に触れる事が出来た。