2019/6のライブ観賞 11本

6/1
山本達久ソロライブ1stのラファエル・トラルの様なフィードバック音の連なりとか2ndでのピアノの音を再生させつつからの激的な展開とかにドラムセットのそれぞれの打楽器がバラバラにアプローチされるような達久特有のビートの絡みは、最先鋭化したエレクトロニカでフォークトロニカの続きも思った

6/2
前トリオから引続きのアコべとチェロの須川崇志と新顔でドラムのJoe Taliaを迎えての八木美知依ニュートリオはドラムがTaliaに変わった事でトリオの音色が揃って、ジャズが限定されたイメージでの楽器編成にとらわれ続けるのに八木が箏というエスニックな楽器であえてジャズする試みが結実したと思う
音色が揃うというのはトリオが欧州フリーインプログループの様な繊細さで一歩引いたところからジャズを演奏しているように聴こえたという意味で、クールな感触はありつつ2ndはプログレの様な演奏もあったりするバランスが変種の様に見えるのに形容詞不要のジャズを聴いた気分になった

6/4
内橋和久のエレクトリックな音に山本達久のビートが反応して千葉広樹のアコベが色付けする即興演奏は、変態な可変するのにポップで爽やか

6/5
内橋和久&山本達久feat. Ned Rothenbergは内橋が裏を演じながらもその個性が出まくっててRothenbergがフリーキーをほぼ使わないのにインパクトしまくるサックスを吹きまくって達久がそれに付き纏う展開で、このまま朝までやればいいのにと思いつつそれだとオレは社会人失格コースなのであれ位でいい

6/7
音源はフォローしながらもやっと初のLAZYgunsBRISKYの生音はタイトとポップを行き来するスタイル。ただまだ確定したというほど硬直はしていないので次の機会にはまた違うものが提示される雰囲気
my funny hitchhikerはMCの記憶は無いし曲間も端折る。知らない曲しかないのにずっとあのグルーヴに反応したのはロックに惹かれる一番大事な要素を持ってるってことなんだと思うけどそれを言語化するには今のオレは雑な状態
時間の都合でトリは見れなかったけどチケ代からしたら十分すぎる2セット

6/10
荒巻バンドの事を言うときはいつもコルトレーンのカルテットを参照してたけど今夜の演奏聴いてちょっとそれ違ってて、コルトレーンクインテットがフリーとのハザマで未発表にした音を聴いていると思った

6/11
Borbetomagusと対マンするなら大変なユニットが一押しと言えば細々端折れるはずだけど、それよりも音の動きは多様なので単純なカタルシスの要求ならこのバンドの面白さはちょっともったいないかも

6/15
トリオ状態のジプシーズからイマイアキノブが加わって数曲演って、下山淳の復帰があって5人のジプシーズからイマイがオミットしてからが本編の様にバンドの音。下山は数曲のみかと思ったけど結局アンコールまで演奏しててオレはグッときたけど泣いてないよ

6/18
インストと違って歌ものライブでその歌を知らないというのはハードルが高いのだけど汝、我が民に非ズのライブは前作のレコ発時以外は知らない歌が多いのだけど楽しいのは何故か?はバンドの演奏力とマチーダさんの言葉とあのヴォーカルとってまあ全部がって事でそんなこと言わずに慈悲をお願いします

6/23
演奏にはソリッドと重さがありながらポップな感覚は当然でちーちゃんが加わって初めて見たけどバンドの音は出来上がってて今のラフィンは国内のパンクバンドでは間違いなく最強って断言しても問題ない

6/28
丁寧な音と曲の中の必然的な展開とミドルなグルーヴ、クールとか大人とも言えるけれど何かに当てはまりそうでそれが無いのがSignalsの個性だと思う。アンコールには応じないというのも今夜のライブに似合っていた

2019/5のライブ観賞 9本

5/1
リーダーでアコベの水谷浩章とピアノの石田幹雄とドラムが山本達久のトリオの演奏はECMのヨーロッパフリーの様な抑制された繊細とフリージャズの様な感情的に見える演奏を持ち合わせたダイナミックレンジの広いジャズで、オレには最初から最後まで刺激的な音楽だった

5/4
本田珠也トリオに+2された状態はトリオの隙間が埋まるのは当然だけどこのトリオに感じるどジャズのコアは変わらなくてジャズという音楽の持ち味が増幅された演奏

5/5
ドラムの本田珠也とサックスとかCDJ菊地成孔とキーボードetcの坪口昌恭のセッションはエレ期マイルスとWRを下地にしてYMOとかオーネットも取り込んで解体と再構築したような現代の少し先のエグいファンク

5/11
WRENCHの新作weakのレコ発。出来が良すぎるアルバムなのでライブは?というのもあったけど隙無く構築された音をライブらしい生々しさに置き換えててエレクトリックも肉体化されたハードなカッコよさという陳腐な語彙を使う。でも、本編とアンコールで「BUCK-TICKから花貰った」って言ってたのは和んだ

5/19
ギター三人奴、最初がROIKIというブルージーな演者で3本しか弦の無いエレアコやネックの短いエレキでエグい以外に言いようのない音とブルースってったらこれが聴きたいと言うような選曲で歌いまくっててオレのツボ
次のAZUMIは演歌とブルースが組み合わさった様な歌とカブサッキ並のフェザーなギターからボリュームのコントロールを駆使したメリハリマクリのギターかまして、遠藤ミチロウのJust Like a Boyも歌って泣かされたけど笑いを誘うとこまで持ってかれた
トリは酒井泰三で、オレが酒井のギターが好きな理由はそれに対するひたむきからくる音の撒き散らしだと思ってたんだけど実際は冷静に音はコントロールされてて配置の巧みがあってそれにエレキがボディで鳴っているし歌声は生々しさがあってって、そんな感じ

5/23
MUGAMICHILLはポストロック勢に足りなかった肉体的を加えてその続きをやっていると感じていたけれど、今年最後の演奏ではチルの部分が減って音の振り幅の大きな方向になってきたと思う
こうなるとオレにはtenelevenの重要度が増す。ロックバンドのアンビエント表現がMUGAMICHILLでオルタナティヴな面子でのアンビエント表現がtenelevenと分けられた様に見えるので

5/24
Selen Gulun&八木美知依のデュオは即興では無く基本歌ものセッションなんだけど当日の打合せだけであの演奏が出来るとか...Gulunはピアノと歌の奏者で、ピアノは個人的には好みとは違うけどEddie Readerを思わせる歌声とヴォイスパフォーマンスは知らない歌なのに聴き入る
あまり音を歪ませなかった八木美知依アブストラクトな21絃と独特なグルーヴのベース箏の両方で素の絃の音がカッコいいし、ボーダーレスな箏奏者としてのそれに加えてあの淀みない歌声は楽器が少ない中で聴くと際立つ

5/27
酒井泰三今堀恒雄と本田珠也のセッションは2つのギターと1つのドラムというバランスだけどそれでロックのアグレッシヴの全部をかまされたようなヤツで半端なくカッコよかった。ミスの無いクラプトンとアップデートされたベックと激ウマのボンゾがセッションしたって比喩をとりあえず
そこにファンカデリックを3人でやってしまったとか、そういうセッション。耳は潰されたけどこのスキルの前にはそれもいいと思う

5/29
竹内直カルテットは色々聴く中で多分一番ストレートで繊細なのでジャズって?とか聴き始めの様な気分で演奏を聴くけど演者それぞれのスキルが万遍ないのでそういうのを無駄に考える必要不要。でも無駄も言うと竹内直が変則クラリネットを使ったバラッド表現はカークとかアイラーと同じ美しいジャズ

2019/4のライブ観賞 11本

4/3
ピアノの原田依幸とアコべの不破大輔とドラムの石塚俊明でフリーキーなジャズがかまされるその上に山崎春美のポエトリーな言葉と痙攣って、あれはガセネタというガセネタ?

4/5
多分見るのは2回目のPartykillers!は音の厚みに拘らずツナギの意識が無い様な断片が色々合わさったような演奏。見た目にはわかりにくいけど欧州フリーインプロと同じセンスでそれより現代的
Talibam!はデュオでロックのエグいところをひたすらカマしていくというNY的をあまり感じない率直で、途中機材トラブルありながらあのエグみが頭から最終盤のグダグダのとこまで続いていけるのは一見単純に見えるだけでそうでは無いという類

4/6
最新作のみ聴いてTHE NOVEMBERSのワンマン。そのアルバムを聴いて思った通り重さを端折ったハードでインダストリアル的な楽曲とJ-Popと命名される前の日本のポップス的メロウな楽曲の2つの持ち合わせはその上の世代のロックには無い感覚
例えばBORIS/Boris/borisのようにTHE NOVEMBERS /The Novembers/the novembersとスタイルの使い分けをしても面白いと思う。とか色々思わせてくれたのでdownyとの2マンのチケットも入手済み

4/7
ちょい久々のBACTERIAの硬質系ノイジーは、だけど曲は結構キッチリとしたロックしてて難解にならないので実は間口が広い
数年ぶりのNON bAndの明らかなオルタナティヴは客を選ぶ感じかもしらんけど、あの音が今でもそういうポジションということはどういうことか?は、いくらか考えてみるべき事案
The Ding-A-Lingsが今日の目当てで初めてライブを見たのだけど、オスのテレキャスはボディで鳴っていて鮎川誠のレスポールとタメを張るレベル。dip じゃないナガタッチのベースはその時よりもグルーヴが強く感じる
トリのSLIP HEAD BUTTは分厚い音のパンクロックと場をつくるパフォーマンスでさすがのダムの帝王で、このバンドのライブに接すると多分曲を全く知らなくてもカッコいいと楽しいの両方を思うはず

4/13
Havard Skasetのギターは上手いArto Lindasyの様でそこに徐々にロックが足されるように展開してて、そのSkasetを表にしたPAINJERKの音は裏で鳴るけど抑えの効いた美音なノイズとループしてるベース音がこのセットの中央に聴こえた
Mette RasmussenとGuro S. MoeとヨシミのセットはヨシミとMoeのヴォイスの異様な感覚があって、Moeのエレベは弦の太いギターとして鳴るしヨシミのドラムもビートで埋め尽くすタイプじゃないので音圧は感じないけどそのスカスカ感がRasmussenの時折コルトレーンライクなアルトサックスを明確にしていた

4/16
道場+ Mette Rasmussen、八木美知依と本田珠也の音数の中をRasmussenのサックスが朗々と吹きならして八木の箏から出る聴いた事のない重低音と本田のスティックでのハイハットのコントロールの凄みを聴いた結果、ハードと抑えの効いた演奏の二局面の間がハッキリ聴こえた演奏

4/19
禁断の翼棟は一応バンド名らしい。多分あれはジャズで、エグくて美しい。山本達久のビートと坂口光央の鍵盤の音が選ぶセンスの真ん中を藤原大輔のテナーとフルート。あのちょっと異様な楽曲とか、ジャズは多様というか音楽は多様という再確認

4/20
borisのドローンはハードなスタイルでは無くサンタナの様な泣きもあったし終盤はストーナーだし四楽章の組曲の様な展開。BORISより今夜の方が性に合う
バンドスタイルのGRIMはジョン・フルシアンテを聴いているようなメランコリック。フロアでのパフォーマンスは余計
山崎マゾのControlled Deathはハーシュノイズ気味の序盤からノイズ含みの電子音楽に変化した20分のロングセット

4/27
ユニークさもある坂田明だけどアルトのアグレッシヴはその対比で感じるんじゃなくて本田珠也のビートとの張り合いでわかる。それに須川崇志のアコベの音色が加わるからスローはもちろんハードでも常に美しい演奏だった

4/28
本田珠也と守谷美由貴と須川崇志の本田珠也トリオ。本田は「和ジャズ」という言い方に拘りがあるようだけどこのトリオは「どジャズ」だと思う。それぞれのジャズの演奏力の高さで聴いたのはど真ん中のジャズの豊潤で、イニシエとは違う生々しさ

4/30
平成最後のタイミングで選んだのは荒巻バンド。客観的にこのバンドのライバルは黄金の頃のコルトレーンとその後のコルトレーンバンドという面倒くささだけどこのバンドがこのタイミングの締めというタイミングは幸運だろってのがオレの平成最後

2019/3のライブ観賞 11本

3/1
天鼓と内橋和久とナスノミツル吉田達也とテンテンコの飛天というイベントは天鼓のバースデーライブも含まれてて、 個々の個性がハッキリしながら演奏時間を無駄に長くせずタイトにまとめた事で強面なアヴァンの感触を持つ自在なロックと言えるカッコよさが引き立った
なんかこの面子でテンテンコが引けを取らずにカッコいいというのがヤバい

 

3/2
八木美知依石橋英子のデュオの1stは電気仕掛けのループがメインに聴こえて、2ndでは手動のループの印象が強い。要するにミニマルと言える音楽で、八木の箏と石橋のピアノとフルートのそれぞれのミニマルフレーズが重なった事でドローン的とも思った

 

3/3
オレは面倒くさい音楽の聴き方をしてるけどMannish Boysのライブに行くとそういうのと距離を置きたくなるので自重してたけどそういう場で得るものと今日のそれは圧倒的に違っててハッキリした事言うと面倒になる気がするので止めとくけどMannish Boysが一週間ぶっ続けで都内でライブするなら全部行く
観客の質って言うとこれもあれかも知らんけど今日の客の方が音楽の楽しみ方知ってるよ。オレら残念な方だと思う

 

3/7
荒巻バンドの明快な重厚さはラウドなロックを好む層にもわかりやすいはずなんだけどそういう人達がこれを知らないのは残念というよりやっぱ音楽は探さないと気づけないものがあるという事

 

3/9
ドラムのTom RaineyとピアノのLeo Genoveseとアコべ&チェロでリーダーの須川崇志のトリオで演奏された楽曲は踏襲されたジャズの次の様でスキルの高い奏者の演奏の素材として最適で、2ndの十六夜で加わった八木美知依の歌と箏の混ぜ方が和とジャズのミックスを超えた独特にした須川のセンスは特別

 

3/12
NO-MADはツインドラムとツインギターとほぼエレキなヴァイオリンとそれなのに1本のエレベとかそういう音の厚みがコントロールされながらロックの名盤を聴いてるようなギターフレーズがやたらと聴こえてでも終始グルーヴしてて更に今夜は1セットにまとめた事で隙も無くて、なのでフジロック出るなら行く

 

3/15
GardenでのヤマソロでヤマジはGardenを歌わずTelevisionの前座でRoosterzはNeon Boyを歌わなかったけどLoft HeavenでVenusだけじゃなくHeavenも歌った大江慎也

 

3/17
オーネット・コールマンの曲だけ演奏されるというライブが珍しいのだけど、それでまとめてオーネットの曲を聴くと意外に普通なジャズしてる曲があったりEventuallyの独特なテーマは演奏の難易度を考えさせたりするのだけどそれを当日のリハだけで成立させるのがジャズミュージシャンのスキル

 

3/24
ヴァイオリンの勝井祐二とドラムの山本達久とギターのRiki Hidakaのランチライブは音響後を意識させる即興でそういうのを思うのは久しぶりなんだけどそれを思うのは音量と演奏のコントロールが優れているという事で、その中で鳴り続けた音は一見あまり起伏してないけど実際は可変だらけ

 

3/29
七針、山本達久のソロは弓でのキョーレツな美音からガムランに至るような演奏、坂口光央のソロはスタンディングでもいけそうなエグい音のエレクトロニカ。デュオではソロとは違って音というか音楽を選んで演奏してる様に見えた。多分この世代はロック的なものとは別のところで演奏している

 

3/30
今夜のジプシーズは下山淳抜きのトリオ編成で始まって2曲目のMONAが終わって花田裕之が「あの、今日はごめん。こんな感じで許して」とMC。下山がいない状態は当然音の厚みが減るけれどグルーヴは減らない
中盤辺りで加わったイマイアキノブのギターはジプシーズに似合う音というわけではないので4曲のヴォーカルも含めて終始上モノの個性

2019/2のライブ観賞 8本

2/6
近藤直司と組原正とヒゴヒロシと本田珠也で大変なユニットという名前のユニットは1stでブロッツマンのマシンガンか高柳昌行のNDUの様な圧縮された音してて2ndでアンビエントを数分からエグい音まで変化。ジャズとロックの尖端の交わりじゃなくて卓越した音を持つ4者の個を同時に聴いた

 

2/13
蓮見令麻のピアノと声の音楽は先鋭的と言えるところだけどそれからイメージする刺々しさとは違った感覚で、クラシカルも感じるそれがジャズに当て嵌まるかどうかも不鮮明なのだけど時々不穏も挟み込みつつの今夜を1曲1時間弱の1セットのみという構成も含めて優れたバランス感覚だと思う

 

2/16
Paul Grabowskyと須川崇志と石若駿のピアノトリオはそういうイメージのジャズで音数のあるところでもタッチの柔らかさがあって、だけど甘くなるという事にもならなくて硬軟が入り混じるというより両方が重なった演奏

 

2/16
ベースレストリオのSelf Desconstructionは叩きまくるドラムとメイド服でイカれたトーンのギターとデスヴォイスも余裕でかます女声ヴォーカルで30分曲間無しのハードコアでカッコよすぎ
ちょい久々のENDONはドコアというよりドラマチックはメタル的でノイズ外すとボディミュージックだと思う
何故オタクはメタルっぽいロックを好むのか?と考えるセット間
ENDONの音圧後だったので序盤はちょいノリキレナかったけど耳が落ち着いてからのConvergeはメタルっぽさも無骨な音で拭ってくれるしドコアのとこは流石なスピード感
Neurosisはテキサスとかサザンな下地だと思うんだけど、そういう音が重いというより太い音の壁してて圧倒
ただし、4セットの今夜のトリには長いセットになったので途中離脱

 

2/18
どこかのバンドの再結成ネタは放っといて、25年ぶりらしい近藤等則IMA21はエレクトリックな色付けされたドラムとパーカッションと鍵盤とギターとトランペットの編成でヘビーメタリックなファンクにインダストリアルとダブも持ち込んでてジャズが見あたらなくて土曜日のバンドよりイマの音でカッコいい

 

2/20
Bob BertのメタルパーカッションというオマケがあったのでちょろっとPussy Galoreを含んだJon Spencerソロ名義でのライブはJSBXと大きく変わることもなくジョンスペのギターとヴォーカルでシンプルなロックンロールが結局どれよりカッコいいってのを見せつけただけ

 

2/22
たまたま見たPVがカッコよくて興味を引かれたmy funny hitchhikerはトゲトゲしさ在りつつロックだけのグルーヴが持続するバンドでロックのカッコよさってのはこういう事だと思った。またすぐにでも見たい
ドラムが9人とギターベースキーボードいうイカれた編成のDQSはマスロックとプログレ電気グルーヴみたいなエレクトリックポップの高揚感があって楽しすぎるバンドで、くだらない事とかを忘れる
DQS近藤智洋が加わってのアンコールというか3rdというか、ヒリヒリした1stとは違う雰囲気の近藤の弾け方は最後の「勝手にシンドバッド」で行くとこまで行っててこの人が女性ファンを抱え続けてる理由がよくわかった

 

2/27
町田で町蔵というシチュエーションには抵抗出来ず平日に多摩川こえる快挙をしての今夜のライブは昨年の新作からは数曲で8割位は盤になってない歌なのでノリじゃなくてじっくり聴くには着席スタイルは必然。まあ相変わらずの町蔵らしい言葉の紡ぎだけどそれが歌詞だったかMCだったかはちょっとした忘却

2019/1のライブ観賞 10本

1/5
中村達也ソロ爆走三日間最終日への足向けが今年の始め 天井から吊るされた銅鑼と同じ壁際に置かれたシンバル&ハイハットと円上に置かれた7つのバスドラと更にコントラバス&スネアをフリーな構成で叩き続ける。1stが混沌が高くて2ndはリズム感が強い。両セットともSEの様な演奏の様なシンセ音含み
雑然からの構築に至った演奏で、ドラムセットではない状態をバチや鎖や素手で叩き続けた姿はドラマーでは無くパーカッション奏者の方が相応しい。数年前には無かった展開はMUGAMICHILLの経験だと思ったら音響という言い方でナスノミツルが参加していてオレが思った事はあながち見当違いじゃないかも

 

1/6
1stの空間現代を見るのは少し久々で、硬い音のマスロックは微妙なうねりみたいなのも加わる様になっていた
灰野敬二はドロドロしたヴォーカルからホーメイ気味に変化してそれからパーカッションソロ。いくつもの音を使いながら見せるというパフォーマンス含みの他に無い個性は灰野が音楽を追求し続いているということ
トリが八木美知依と本田珠也の道場で、平静なアブストラクトと高揚するグルーヴが行ったり来たりしてからの最終盤はPeter BrotzmannのMachine Gunが圧縮された様な凶暴

 

1/8
ちょい久々なナジナジはスーデラの空間をうまく使うのでここ以外で見る気は無い。現在10人のパーカッション奏者でのビートの羅列にはキッチリと言えるメロも感じるけどベースはラテンの根底を探ったアフロのリズムだと思う。この音でガーッとはしゃぐ2時間はクラブイベントのそれとは違う 1/9
石橋英子とDarin GrayのデュオはEric DolphyとRichard Davisがバラッドを演奏している様な前半から上手く露骨にノイジー含みの後半。面倒なのであっさり言えば美しい音楽
工藤冬里のピアノソロは恐らくDJが鳴らしてるSEと音楽があって工藤は寝て雑誌みたいの読んで起きてちょっとピアノ弾いてスマホからも音を再生したりってヤツでまあそういう事なんだけど古典音楽的に朴訥したピアノは印象的
揃い踏みのセッションで石橋英子はフルートに専念して工藤冬里がピアノで、その工藤のピアノはフリージャズしつつもコード感は無いしドシャメシャもしなくて意外とはまってて、様子見つつのDarin Grayのアコべが被さって全体が葛藤したとこでいきなり終わった。4分位の出来事

 

1/11
1stは坂田明がオミットした6tetで、ラップトップを扱うJim O'Rourkeのコントロールで2極の演奏は現代のサードストリーム
坂田明が加わった2ndもJim O'Rourkeの指揮でオーソドックスとけたたましさが同居してSun Ra Arkestraとタメを張った知性的なジャズ

 

1/12
stのJim O'Rourkeは抽象的なアンビエントで2ndのPitaはインダストリアルな電子音楽。O'Rourkeのセットだけを聴いた時点では必ずしもアンビエントでは無いと思ってたんだけどPitaのセットの後ではそういう印象に変わる。Pitaのリズム含みでユーモアのある展開はノイズとは違う
3rdはFenn無しでO'Berg。Pitaの展開が一瞬有りつつも殆どがO'Rourkeの音楽してて全体がシリアス過ぎると思うんだけどでもそれがオレがJim O'Rourkeを聴いている理由

 

1/13
Paul MotianのトリビュートはMotian的なアクは感じないけどNYジャズ的な独特の生々しさはトレースされてて抜けの良い藤原大輔のサックスにOrnette Coleman的なのを感じたりしつつ、久々に聴くJim O'Rourkeのギターが熱っぽくなってもジャズマナーするところがスタイリストとしてのセンス
2ndはJim O'Rourkeがアコべ&ラップトップで石橋英子が鍵盤&フルートでJoe Taliaのドラムという組合せなのでカフカ鼾に近い複合的なミニマルだけどECM的に角の取れたというか或いは洗練されたというか、そういう印象

 

1/15
今年も当然縦も横も感じるKIRIHITOのグルーヴ。マスロックとかデジロック以前から電子音含みの独特
L?K?O?&Cal Lyall&Joe Taliaはメタリックな音色で平坦な音のバラ撒きからアグレッシブな音を撒き散らすハードからプログレッシブな展開
トリの大友良英&秋山徹次は多様な音だったのでその印象で言うと当てはまらないけど音楽の仕上がりは多種のドローンの持ち込みだと思う

 

1/18
荒巻バンドは要するにライブジャズだと思う。録音とは別のライブ演奏として圧倒的に面白い

 

1/21
竹内直がLast Desireと名付けたこのトリオは本田珠也の猛烈なドラムと何かが憑依したように鍵盤に向かう田中信正がジャズの一番硬質なところの音を鳴らして、そこに竹内のリードが変化を持ち込んでくるので直線的な仕上がりからは程遠い