2019/1のライブ観賞 10本

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中村達也ソロ爆走三日間最終日への足向けが今年の始め 天井から吊るされた銅鑼と同じ壁際に置かれたシンバル&ハイハットと円上に置かれた7つのバスドラと更にコントラバス&スネアをフリーな構成で叩き続ける。1stが混沌が高くて2ndはリズム感が強い。両セットともSEの様な演奏の様なシンセ音含み
雑然からの構築に至った演奏で、ドラムセットではない状態をバチや鎖や素手で叩き続けた姿はドラマーでは無くパーカッション奏者の方が相応しい。数年前には無かった展開はMUGAMICHILLの経験だと思ったら音響という言い方でナスノミツルが参加していてオレが思った事はあながち見当違いじゃないかも

 

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1stの空間現代を見るのは少し久々で、硬い音のマスロックは微妙なうねりみたいなのも加わる様になっていた
灰野敬二はドロドロしたヴォーカルからホーメイ気味に変化してそれからパーカッションソロ。いくつもの音を使いながら見せるというパフォーマンス含みの他に無い個性は灰野が音楽を追求し続いているということ
トリが八木美知依と本田珠也の道場で、平静なアブストラクトと高揚するグルーヴが行ったり来たりしてからの最終盤はPeter BrotzmannのMachine Gunが圧縮された様な凶暴

 

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ちょい久々なナジナジはスーデラの空間をうまく使うのでここ以外で見る気は無い。現在10人のパーカッション奏者でのビートの羅列にはキッチリと言えるメロも感じるけどベースはラテンの根底を探ったアフロのリズムだと思う。この音でガーッとはしゃぐ2時間はクラブイベントのそれとは違う 1/9
石橋英子とDarin GrayのデュオはEric DolphyとRichard Davisがバラッドを演奏している様な前半から上手く露骨にノイジー含みの後半。面倒なのであっさり言えば美しい音楽
工藤冬里のピアノソロは恐らくDJが鳴らしてるSEと音楽があって工藤は寝て雑誌みたいの読んで起きてちょっとピアノ弾いてスマホからも音を再生したりってヤツでまあそういう事なんだけど古典音楽的に朴訥したピアノは印象的
揃い踏みのセッションで石橋英子はフルートに専念して工藤冬里がピアノで、その工藤のピアノはフリージャズしつつもコード感は無いしドシャメシャもしなくて意外とはまってて、様子見つつのDarin Grayのアコべが被さって全体が葛藤したとこでいきなり終わった。4分位の出来事

 

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1stは坂田明がオミットした6tetで、ラップトップを扱うJim O'Rourkeのコントロールで2極の演奏は現代のサードストリーム
坂田明が加わった2ndもJim O'Rourkeの指揮でオーソドックスとけたたましさが同居してSun Ra Arkestraとタメを張った知性的なジャズ

 

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stのJim O'Rourkeは抽象的なアンビエントで2ndのPitaはインダストリアルな電子音楽。O'Rourkeのセットだけを聴いた時点では必ずしもアンビエントでは無いと思ってたんだけどPitaのセットの後ではそういう印象に変わる。Pitaのリズム含みでユーモアのある展開はノイズとは違う
3rdはFenn無しでO'Berg。Pitaの展開が一瞬有りつつも殆どがO'Rourkeの音楽してて全体がシリアス過ぎると思うんだけどでもそれがオレがJim O'Rourkeを聴いている理由

 

1/13
Paul MotianのトリビュートはMotian的なアクは感じないけどNYジャズ的な独特の生々しさはトレースされてて抜けの良い藤原大輔のサックスにOrnette Coleman的なのを感じたりしつつ、久々に聴くJim O'Rourkeのギターが熱っぽくなってもジャズマナーするところがスタイリストとしてのセンス
2ndはJim O'Rourkeがアコべ&ラップトップで石橋英子が鍵盤&フルートでJoe Taliaのドラムという組合せなのでカフカ鼾に近い複合的なミニマルだけどECM的に角の取れたというか或いは洗練されたというか、そういう印象

 

1/15
今年も当然縦も横も感じるKIRIHITOのグルーヴ。マスロックとかデジロック以前から電子音含みの独特
L?K?O?&Cal Lyall&Joe Taliaはメタリックな音色で平坦な音のバラ撒きからアグレッシブな音を撒き散らすハードからプログレッシブな展開
トリの大友良英&秋山徹次は多様な音だったのでその印象で言うと当てはまらないけど音楽の仕上がりは多種のドローンの持ち込みだと思う

 

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荒巻バンドは要するにライブジャズだと思う。録音とは別のライブ演奏として圧倒的に面白い

 

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竹内直がLast Desireと名付けたこのトリオは本田珠也の猛烈なドラムと何かが憑依したように鍵盤に向かう田中信正がジャズの一番硬質なところの音を鳴らして、そこに竹内のリードが変化を持ち込んでくるので直線的な仕上がりからは程遠い