2019/5のライブ観賞 9本

5/1
リーダーでアコベの水谷浩章とピアノの石田幹雄とドラムが山本達久のトリオの演奏はECMのヨーロッパフリーの様な抑制された繊細とフリージャズの様な感情的に見える演奏を持ち合わせたダイナミックレンジの広いジャズで、オレには最初から最後まで刺激的な音楽だった

5/4
本田珠也トリオに+2された状態はトリオの隙間が埋まるのは当然だけどこのトリオに感じるどジャズのコアは変わらなくてジャズという音楽の持ち味が増幅された演奏

5/5
ドラムの本田珠也とサックスとかCDJ菊地成孔とキーボードetcの坪口昌恭のセッションはエレ期マイルスとWRを下地にしてYMOとかオーネットも取り込んで解体と再構築したような現代の少し先のエグいファンク

5/11
WRENCHの新作weakのレコ発。出来が良すぎるアルバムなのでライブは?というのもあったけど隙無く構築された音をライブらしい生々しさに置き換えててエレクトリックも肉体化されたハードなカッコよさという陳腐な語彙を使う。でも、本編とアンコールで「BUCK-TICKから花貰った」って言ってたのは和んだ

5/19
ギター三人奴、最初がROIKIというブルージーな演者で3本しか弦の無いエレアコやネックの短いエレキでエグい以外に言いようのない音とブルースってったらこれが聴きたいと言うような選曲で歌いまくっててオレのツボ
次のAZUMIは演歌とブルースが組み合わさった様な歌とカブサッキ並のフェザーなギターからボリュームのコントロールを駆使したメリハリマクリのギターかまして、遠藤ミチロウのJust Like a Boyも歌って泣かされたけど笑いを誘うとこまで持ってかれた
トリは酒井泰三で、オレが酒井のギターが好きな理由はそれに対するひたむきからくる音の撒き散らしだと思ってたんだけど実際は冷静に音はコントロールされてて配置の巧みがあってそれにエレキがボディで鳴っているし歌声は生々しさがあってって、そんな感じ

5/23
MUGAMICHILLはポストロック勢に足りなかった肉体的を加えてその続きをやっていると感じていたけれど、今年最後の演奏ではチルの部分が減って音の振り幅の大きな方向になってきたと思う
こうなるとオレにはtenelevenの重要度が増す。ロックバンドのアンビエント表現がMUGAMICHILLでオルタナティヴな面子でのアンビエント表現がtenelevenと分けられた様に見えるので

5/24
Selen Gulun&八木美知依のデュオは即興では無く基本歌ものセッションなんだけど当日の打合せだけであの演奏が出来るとか...Gulunはピアノと歌の奏者で、ピアノは個人的には好みとは違うけどEddie Readerを思わせる歌声とヴォイスパフォーマンスは知らない歌なのに聴き入る
あまり音を歪ませなかった八木美知依アブストラクトな21絃と独特なグルーヴのベース箏の両方で素の絃の音がカッコいいし、ボーダーレスな箏奏者としてのそれに加えてあの淀みない歌声は楽器が少ない中で聴くと際立つ

5/27
酒井泰三今堀恒雄と本田珠也のセッションは2つのギターと1つのドラムというバランスだけどそれでロックのアグレッシヴの全部をかまされたようなヤツで半端なくカッコよかった。ミスの無いクラプトンとアップデートされたベックと激ウマのボンゾがセッションしたって比喩をとりあえず
そこにファンカデリックを3人でやってしまったとか、そういうセッション。耳は潰されたけどこのスキルの前にはそれもいいと思う

5/29
竹内直カルテットは色々聴く中で多分一番ストレートで繊細なのでジャズって?とか聴き始めの様な気分で演奏を聴くけど演者それぞれのスキルが万遍ないのでそういうのを無駄に考える必要不要。でも無駄も言うと竹内直が変則クラリネットを使ったバラッド表現はカークとかアイラーと同じ美しいジャズ