灰野・オルーク・アンバーチ

さすが灰野敬二。と、ライブ前に思う。客の数が、な。よかったよかった。
まず前座でCrys Cole + Joe Talia + James Rushfordという組合せ。Crys Coleは前に演奏を聴いている。こういっては何だけど、美人。James Rushfordは予備知識なし。期待はドラムのJoe Talia。この前のあのビート感覚はまだまだ聴いてみたい。が、Taliaのドラムセットはフロアタムとシンバルだけで、演奏は厳しめのヤツで、かなり実験的な感覚。これは座って聴くべきだった・・・。
して、灰野敬二 + Jim O'Rourke + Oren Ambarch。1st、O'Rourkeはアコギで、Ambarchはドラム。灰野は小型のハープと言うか琴というか、そういうやつ。O'Rourkeがアコギを演奏するのは珍しくて、Ry Cooder的にアメリカンな音。割と静的に進むのだけど、灰野がテルミンの様な動作で扱う電子デバイスなヤツ、が、突然ノイジー。O'RourkeとAmbarchの音が薄くしか残らないのだけど、そのままにもならず、縦笛だったり歌声だったり、で灰野というイメージの持つ自在。O'RourkeもBailey的なアプローチが出てきたりして、変化の多いセットだった。
2ndの灰野は序盤、あのテルミンなヤツと、打ち込みで組まれたビートを走らせたりする。そんなのが出てくるので、割とスクエア気味なAmbarchはアプローチを変えてインプロらしい感じ。O'Rourkeはエレベで、その音は重低音というより、ブットい弦の音という感じ。中盤に差し掛かるあたりから、やと灰野はエレキを扱う。その音が出てくると、灰野のエレキってのは、ノイジーだけどベースのとこはガレージ的なんだな、とか、今更確認。SDLXというハコだから多分これまでよりそれが意識的に聴こえてきた。終盤のとこで、O'Rourkeのエレベも重い方の音が多くなって、Ambarchのビートもグルーヴィーになってきて、モノ凄くヘヴィーなロックという状態。超重量級のロック。してて、ここは特別だった。のに、ここから灰野の歌声で静かに締まるんだな。って感じだったのだけど、またそこから展開する・・・。それぞれがお互いがいけるところがまだあると、わかっちゃってる。完璧に締めるより、可能性はやっておく、という演奏だった。