石橋英子『carapace』発売記念ライブ

区議会議員選挙という、渋い選挙への投票行動後、その足で渋谷WWW。渋谷WWWって、なんか、なんなんだ?って思ったけれど、ライブハウスの名前。なんか変な名前のハコが出来たなあって思いつつ、場所を確認したら、なんとライズの地下。っていうか、元々ここ、ライズじゃん。ここ数年はライズで映画を見る事も無かったのだけど、いつの間にか地下はライブハウスになっていたか。最近の単館系の苦しさは知っているけれど、ライズもか。でも、個人的には映画館よりライブハウスが増えるほうがありがたい・・・。
そのWWWは元々映画館という場を活かした、スローブ状のハコで、視界が得やすい。どこでもいいやと、適当なところで演奏開始を待つ。
演奏が始まる。最初は灰野敬二の独奏。素直な歌声で始まり、それをサンプリングで重ねつつ、ギターを持つ。そしてそこからは、ふり幅の大きい、極端な灰野の音が行ったり来たりする。年に数回灰野のライブに接するようになってきたけれど、独奏を見る機会は少なかったし、箱のサイズもこの感じは殆ど無い。したらこんな場での灰野の音は遠慮なしの大きさ。サラウンドする様に音が回る。スゲッ。トリップしそうなサイケデリック感。この音は、録音物では絶対に味わえない。無理すぎる。これは解放された音だと思う。歌っている言葉も、今、を、この状況への言葉を、意識したもの。このヤバイのを石橋英子のファンが多数であるはずのこの場で叩きつける。どうだ参ったか?って、全く関係ないオレが思う・・・。演奏後、灰野が一言「ありがとうございました」と・・・。マジか?、今まで灰野がそんな事言ったの聞いた事無いぞ。空耳か?
2ndが石橋英子と、そのバンド。『carapace』のレコ発ライブ。一応その名目でSDLXで七尾とのカップリングをやっているけれど、その時は独奏だったけど今夜はバンドを従えている。けど、個人的には昨年10月のクアトロで、『carapace』の面子なライブを見ている。けど、それはレコ発前ライブか。
『carapace』の楽曲を並べて演奏は進む。ギターにJim O'Rourke、ベースに須藤俊明、ドラムが山本達久という手ダレ揃い。今夜の演奏だけではそのスキルの一部しか確認できない連中だけど、それぞれ、手の動かしはある意味ストイックでありながら、石橋さんの歌と曲を活かす為の細心が見て取れる。一見、普通にポップな音楽として聴こえてくる『carapace』だけど、実際はそういうわかりやすい楽曲じゃない。けど、それをなだらかな音楽の様に聴かせる。刺激的だけど癒される、変な音楽。森ガールすら惹きつけそうな浮遊感。
山本達久の名前を覚えきれない石橋英子・・・。気持ちがわかる。ある世代までだと、山本達、までくると、続くのは彦。だ。けど、このドラマーが山本達彦じゃないって事はわかっているので、だからこんがらがる。
個人的に、石橋英子が演奏しているのを見る機会は、不思議と近いタイミングになる。昨年、10/1のPhewのレコ発をクアトロで見てその3日後に同じクアトロで石橋さんのセットを見た。今年の1/8にSDLXで石橋さんのセットを見て、1/22にマンダラで勝井祐二との演奏を見た。そして今週の月曜にKabusackiとのセッションを見て今夜。なんだろこれ?