2018/9のライブ観賞 12本

9/5
八木美知依&本田ゆか@クラシックスの1st、アンビエントのように始まって早めにゲストのNels Clineとヴォーカル(名前失念)が加わってプログレの様な変化を伴った展開。本田ゆかのエレクトロニクスにDrexciyaを思い浮かべた
2ndは八木美知依&本田ゆか&Nels ClineでVoは加わらない。なので自由度高めだけどアヴァンというより八木の箏が作るカッコいいリフのグルーヴに本田とClineのエレクトリックな音が絡んで異形エレクトロニカ。2つ目の演奏はClineが歪みの無い音でギターを鳴らしてそれに八木の箏が重なる端正なインプロ
Nels Clineをあのサイズのハコでじっくり聴けるというのはやっぱり特別。代名詞のようなあのアグレッシヴなギターを弾きまくったわけじゃないんだけどだから余計に面白かった。こういう弾き方もあるのか!とか、エフェクターで作った音がギタリスト的じゃない音色だったりして、現在別格のギタリスト

9/6
20年ぶりぐらいにコートニー・パインのライブに足向け。CDでは幾つもスタイルを聴かせていたけど昨年のオマーをフィーチャーしたリリースが90sリバイバルしてて今夜もそのオマーをフィーチャーしたライブでそういうスタイルなので後向きにも見えるけど鉄壁の演奏力とエンターテインメントが楽しすぎ

9/7
バスクラと自作管楽器のArlington de Dionysoと主にアルトとクラリネット坂田明とほぼドラムの山本達久のセッション。混沌するとこはアイラーのグループ並みでそこからサラッとフリーインプロに可変したりする。三者ともアイディアの豊富な変態でそれが噛み合うのが面白すぎ

9/8
ケイ赤城&本田珠也@アポロに足向け。即興というスタイルの中でひたすらジャズする音楽度、フリーじゃないそれを目の当たりにすると酔っ払う以外の 術無しだし、2ndの中盤から加わった守谷美由貴のサックスがそれに色付けした事でジャズという音楽がよくわかった。オレ含めた今夜これ見た連中が正解

9/14
Labo3というイベント。Sugar Plantは洗練されたジャムバンドが90sなメロを扱うという感じで独特な音楽。このバンドはもう一度機会が欲しい
ちょい久々のdipは進行形の間に古い楽曲が挟まれててその古いのを今の音で聴くとリリカルが際立つ。結果、オレは今のdipの曲の方に惹かれる

9/15
ラッパとピッコロのPeter Evansと笙の石川高と箏の今西紅雪の演奏。Evansの超絶技巧が静かに鳴らされて度肝を抜かれてそこにどんな時でも崩れない石川の音と、恐らく現音を参考にしてる今西
その後千野秀一のジャズでもクラシックでもアヴァンでもない美しいピアノソロがあってPeter Evansとチェロの坂本弘道が加わった演奏。Evansのあの超絶技巧がアグレッシヴにくるけど千野と坂本の音もエグくて特に千野が卓で鳴らす音がノイズよりもというヤツで久々に強烈な緊張感

9/18
ちょっと久々のOhanamiは以前とは異なった音楽になっていてAutechreを彷彿させるダークなエレクトリックに山本達久の繊細な擦り刻みと町田良夫のスティールパンが合わさる想定外。なので即興的な音楽を好む層よりエレクトロニカ界隈に向いていて、オレは自分がどっちかよくわからないけど次を待つ
SolborgとDornerとToldamと芳垣安洋のセット。全員が楽器の素の音でやれるとこをやった後に芳垣以外は電化も扱う。けれどフリージャズの様に混み合う状態は少くてそれぞれの音はハッキリ聴き取れた

9/19
Peter Evansの独奏は音色の変化少なめで音の切れ目も少なく怒涛という言い方の出来る演奏。その後の飛び入りのホルンとの演奏はフリーインプロ気味
2ndはJohn RussellとStale Liavik Solbergのデュオからで、これはBaileyとBenninkだと思う。と言う事で今夜オレが一番引かれたのはこの演奏。その後はEvansと巻上公一のデュオでここは巻上のユーモアがEvansの音より耳に残った
そして4人揃い踏みでのセッションがあったのだけど、今夜を聴いてPeter Evansはジャズの色が濃い演奏者だと思った。もし今夜の2ndのラッパがAxel Dornerだったら?って頭に浮かんだ

9/22
石橋英子×マームとジプシー 藤田貴大の『The Dream My Bones Dream』は音楽のみでは無くて他の要素も加わったライブ。オレはそういうのをあまり好まないんだけどこのライブはそういうのにありがちな鬱陶しさを洗練したような出来だったと思う
石橋英子は恐らくオレと同世代でここ数年で父親が他界したという経験は共通するものだからステージで役者が食をとる事と骨という人間の一部が含むものには勝手な理解。そしてあのアルバムの音楽を再現した演奏は再現以上の音に聴こえた

9/23
今井和雄ソロワークス72@plan-Bの1stはアコースティックなセットでミュートを使った音から始まって掻き毟るように弦が鳴らされて、2ndのエレクトリックなセットは簡素なエフェクターだけど奏法でエグイノイズまで鳴る。両セットともとにかくギターを限界まで弾き倒そうとしてるとしか形容しづらい演奏

9/27
RBMFT2018、石橋英子ソロは新作に収録されている内の3曲をエレクトリックとアコースティックの両方で演奏。当然先週のレコ発とは違った音だけど、ソロだからのパーソナルな演奏で全曲演るという機会を聴いてみたい
4年ぶりのNAZORANAI、灰野敬二は色んな楽器を使ったけどエレキを弾くと結局その印象が濃くなる。けど一番印象的だったのはStephen O'Malleyのエレベで、無駄の無いベースラインは音楽がシェイプされてた。時々埋もれながら聴こえるOren Ambarchiのビートは狙ったバランス?
いくつもある灰野敬二のバンドの中でNAZORANAIが一番纏まりがある印象で、かなり強い音だったし灰野は自由度高かったけど最終的に歌に帰結出来る演奏だった

9/30
大江慎也60歳バースデーライブは大まかにソロ名義とRoosterz名義とRoosters名義の3セットという内容。最近好きになった「何処へ行こうか」の歌詞に惹かれて、なのでというか、殆ど演奏されない大江慎也ソロ名義の楽曲をもっとライブで聴きたいと思った
まあ当然の様にライブは楽しんだけど昨夜の状況でイベントを決行したり、開場予定時間より早く客入れしたり、前売りが売り切れてるのに当日券売ったり、追加かなんかの前売りの番号が意味不なダブりまくりだったりで主催はダメすぎる