ブルブル

かなりタイミングは逸しているけれど、R.I.P. Pete Cosey、です。ちゃんとそれなりのタイミングで知っていたけれど、なんとなくログにはしてなかった。理由は特に無し。Coseyといえば、数年前、このブログを始める以前、ピットインでBill Laswellとライブがある予定だった。当然チケットを手にしていた。その頃はその手のに足繁く無かったけど、とにかく期待していた。あのPete Coseyがピットインのサイズで見れるなんて、って、思ってた。ら、結局来日せず。それが今のオレならそれでもライブは見に行ったと思うのだけど、その時はお目当てがこないなんて意味無しってことでチケットを払い戻した。その後来日する様子は無く、んーって思ってたのだけど、こういう事になった。なんかな。
して、当然の様にPete Cosey絡みの音源を聴いていて、やっぱ特にエレ期なMilesのが良くて、凄くアフロ・アメリカンな音に染まる。今年出版されて、極極一部で盛り上がっていたジャズの若いヤツ向けのビギナーズ・ガイドがあって、それ、若くないけどジャズ聴きのビギナーなオレとしては一応読んでみたのだけど、勿論知らないモノはあったけど、知ってるものは以前から言われている事の焼き直しで、ビギナーズ・ガイドなのでそれは別にいいのだけど、既にどこにあるかわからん状態なのであやふやだけど、その本がわざわざ帯かなんかに「Milesを聴かなくてもジャズは楽しめる」みたいな事が書いてあって、そんな誰にでもわかるような事を書いてるところにガックリした。まあ、こういうやり方はわからんでもないけれど、やり方が古。そりゃ、Milesを聴かなくてもジャズは楽しめるさ。まあオレはMilesってのはそれ自体がジャンルに思ったりしているので、その売りモンクが余計に鼻についたってのが正直な話ではある。って、話が思いっきりずれてしまったけど、そんなこんなでPete Coseyの音源を聴いていると、久々にMuddy Watersの『Electric Mud』と『After The Rain』も耳にする。で、これがまずかった。またしても1年ぶりぐらいにブルブルになった。こうなるとまずい。個人的な趣向の問題で、ブルースに嵌ってしまうと、それ以外の音楽はどうにもイマイチに思う事が多くなる。これはまずいのだけど、でもまあ仕方が無い。って、そんな状態で『Checker Longe - Live Chicago 1981』がリリース。一見Rolling Stones側の作品なのだけど、実は違う。これはMuddyを中心としたもので、Stonesの面子は基本的に賑やかし。でもそれ、当然の話。ロックファンなら大体は知っているように、StonesにとってMuddyってのは大きすぎる存在。そもそもバンド名がMuddyの曲のタイトル。なので押さえつつって面はあるのだけど、でもこれ見たら、ブルース・マンの凄さがハッキリする。アフター・アワーズ的な雰囲気だけど、ニヤニヤしつつ、Stonesの面々をまったく寄せ付けない。Mickがあの歌唱をしても、Muddyの歌声の貫禄が際立ってしまう。Buddy GuyとKieth RichardsとRon Woodのギターバトルな場面もあるのだけど、、、Guyの音が明らかに違ってしまっている。更に恥ずかしながら今回初めて知ったLefty Dizzのギターがヤバい。アヴァンなギターがやろうとしていること、圧縮している・・・。あ、Muddyのスライドもカッコいいんだよな・・・。
って、「生きながらブルースに葬られ」って気分になってしまっているのだけど、追い討ちをかけるように2年前のBuddy Guyの『Living Proof』を再生してしまう。あー、これ、かなりヤバイ。この時点で74歳のGuyのギターが半端無い。Peter Brotzmannと同じスタンスの音だと思う。