1991623

ベースの井野信義と、サックスの藤川義明、ギターの今井和雄がピットインで、高柳昌行のコンセプト、マス・プロジェクション。これは久々に、そういう音に対してワクワク度が高かった。
藤川のライブ演奏は今回初で接したのだけど、1stの冒頭はカーブドなソプラノらしきものを扱っていて、キュルキュルと音が跳ねる。今井はフルアコ。勿論シングル気味に音を連ねる。井野さんは勿論アコベで、ドーンと構えたアグレッシヴ。序盤は所謂フリーインプロて感じの展開。各々の音を選びつつ、演奏に接する。そうこうするうちに熱が上がって、藤川はアルトを加えた2本を咥える。今井もセミアコ(?)に持ち替え、音色は当然エレクトリックに変わる。要するにある程度ハッキリとした展開含み。40分ほどで1stは終了。1セットってこのぐらいが丁度いいと、思う。
2ndは、ガーっと始まってほぼガーっと続いて、大体ガーっとした状態で終わった。要するに2ndがマス・プロジェクションだった。このコンセプトは多分終始ガーっとするって事だと思っていたのだけど、まさにそれだった。今井があれだけノイジーに演奏するの、初めて聴いた。しかも2ndは立って演奏していた。勿論ガーっの中には色々ある。3者ともあくまでもジャズの演奏者なわけで、そこでガーっとした演奏をされる。あー、そうか、ノイジャンのノイズってのは、発しているってイメージなのだけど、今夜の3人はノイズを演奏している。と、思う。似て異なるとも思えるけれど、同じように感じてもいいとも思う。まあとにかく今夜のガーっは、ちょっと他とは違うヤツだった。客席は圧倒されて、大きな拍手をしたけれど、アンコールの要求につながらないぐらい、だった。