R.I.P. David Spencer Ware

David S. Wareを聴き始めたのは『Flight of I』からで、今年で丁度20年。知ったのはMMの「じゃずじゃ」だったはず。ここ数年はWareの音の忠実な聴き手では無かったのだけど、ちゃんと、当たり前に新作を手にして聴き続けている。Wareのテナーは、多分同時期ぐらいに初めて聴いたPeter Brotzmannとは違って、いきなり魅了された。フリーで豪放だけど、ソウルとスピリチュアルを感じた。バンドにはピアノにMatthew Shipp、ベースにWilliam Parkerというツワモノ。ドラムは何度か変えているのだけど、そのカルテットは個人的には至高のカルテットだった。だから当然、いつか日本に来てライブを見る事が出来ると、思ってた。したら『Shakti』がリリースされた時にShippの名が見当たらず、代わりにギターのJoe Morris、オレの大好きなMorrisが加わっていた。この微妙な気分はなんともいえなかった。思い切ったことするなあって、思った。けどMorrisは録音物上では『Shakti』のみで、その後はShippとは違うピアニストを加えた新しい編成に変わった。
今日の午後、15:00を過ぎてからだったか、一服しようとタバコのコーナー。吸いながらスマホツイッターなどをチェック。して、思わず「は?」と、声を出してしまった。じゃずじゃ氏のツイートで、Wareの訃報を知った。声を出してあせったけど、倖い人数は少なく、すぐ近くに知人もいたけど、そいつもケータイをガン見中。そいつとは特に話す事がなければ無理やり話したりしないですむような感じなのだけど、その時は何のネタも無かったけど、無理やり何かを喋った。何かなんでもいいから話したい気分。だった。
席に戻って、なんか仕事する気がしない。今日は午前中だけで1日分の仕事したよなあとか思いながら、もう今日はこの後は仕事を放棄してウダウダして、定時になったらベルさっさで帰ってWareの音を聴こうと思った。が、残念ながらそう決めて5分ほど経つとそれどころじゃなくなった。結局ベルさっさなんて甘い考え。やっと仕事を終わらせて帰路、iPodに仕込んであった『Planetary Unknown』を再生。住処に辿り着いて、MP3にしてあるWareの音から『Passage to Music』を再生。して、『Flight of I』を再生。あーそういえばオレはSilkheart盤は1枚しか持ってなかったなあ、とか、思う。それでもMP3が21タイトルある。しかも手持ちしている『Cryptology』と『Freedom Suite』をMP3化してなかったらしく、見当たらない。が、まあいい。手持ちを年代順に聴きはじめてしまったので、今『Third Ear Recitation』を続けている。Wareの吹く「枯葉」が秋なタイミングに、多少、嵌る。WareのHPなどを見てみる。訃報は載ってない様だけど、ディスコグラフィーを見てて今頃気付いた。Wareはそのリーダー作において、自分の独奏のアルバム以外ではドラムとベースが必ず入っているのだけど、ベースはずーっとWilliam Parker。Wareにとって最も大事な共演者ってことなんだろうな。
とか思ってて、思った。というか、決めた。この21タイトルを年代順に全部聴こう。それが終わるまでは、自分では他の音楽は再生しない。Wareには、せめてこれぐらいはやって、追悼の意を表したい。