八木美知依+本田珠也+勝井祐二

実は今日は、ホントに結構悩んだ。SDLXかアケタの店か。悩んでめんどくさい気持ちにもなり、じゃあそれならアップリンクという選択肢をいきなりって思ったりもした。してもう決めないと色々とまずいて時間になって、西荻に足向けを決めた。
アケタの店で八木さんと本田のコンビに1人を加えてセッション。を、当人達は「アケタ道場」と、呼んでいるらしい。それをしつこく追ってるわけじゃないけれど、時々行ってる。今回はもう1人が勝井。って、なんか今までのどれよりも意外な組合せで、やっぱそこのとこの興味はどうしようもない。
1stは2つの演奏。八木さんの21絃箏と勝井のヴァイオリンが少なめの音数から始める。当然手探り感はある。が、本田のビートがリズムをハッキリさせて、アグレッシヴな方向に動く。熱の上がり方は徐々にっていうより、ギアチェンジの様に段階的にガッガッとあがってるように思った。して、中盤に差し掛かる辺りで勝井の足元のエフェクトの類が思いっきりな音。ノイジー。当然触発される本田の激しいのが半端無い。激ビート。こんな展開に八木さんが遅れるわけも無く、なんかヤバいことになっていた・・・。まるでJAZZ非常階段じゃねーか・・・。あーでもこの3者って、ガッツリとジャズの側にいるのは本田のみで、勝井は言うまでもないし、ここ数年の八木さんは著しくフリージャズ化が進んでいるとはいえ、元々の語彙がそういう事ではないので、フリージャズの人って言い方をする必要がない。ので、この面子、フリージャズから逸脱したヤバいのをかました。
2つ目は八木さんは17絃。初手から刻んだそのリフがカッコよすぎる。ここに当然勝井も乗るし、本田もあわせる。と、ここの演奏はロックだったよなあ。
2ndは八木さんの17絃が、箏の音色で先導。まあ、八木さんという個性を聴く時に、こういうところが出てこないと、オレはちょい不満に思ったりする。しかしこの後の展開、なんかプログレだった。っていうか、そういう感じで展開。ここでの展開にはそれぞれの色々が挟まってくるのだけど、三者三様って、全くあてはまる。この中で勝井の足元が放つチープなテクノの様なループ。ここに八木さんと本田がそれぞれのやり方であわせてく、隙間を作りながらの3人のビートにニヤニヤ。して、勝井らしく上がっていく展開もあって、この狭いハコであの音を聴くっていうなんか奇妙な気分。勿論嬉しい。あれ?、この勝井的な展開は、2つ目の演奏だっけか? あーしまった、んー、思い出せない。2ndは2つの演奏を区別して思い出せない・・・。まあ、いいや。
アンコールもかましてもらう。しかしそのアンコール、本編の演奏のように進む。多分気持ちではアンコールは短めって思ってたと思うのだけど、どうも次々に展開が生まれてしまって、演奏が閉じられない。しっかし本田。あんなに叩いていたのに、アンコールでも変わらないどころか、音自体はもっと強くなってたんじゃ?って、ぐらい。
いやしかしまあ、目を離す時間が全く無いライブだった。強いとこの強さは半端なく強いんだけど、そうじゃないところの持込みがあって、その一方的にならないのが、丁度。