John Coltrane

ジャズの偉い人、みたいなのを、高校なガキの頃に読んで、聴いて、まあDolphyが尾を引いたのだけど、それもそうだけどやっぱColtraneが本音かも知らんって、時々思う。のは、Dolphyの命日は結構ギリギリで思い出したりするのに、Coltraneのは前日あたりから思い出してColtrane漬けになる。が、実は、オレの聴くColtraneって言えば殆どがインパルス期で、アトランティック期はリリースされたものの1/3ぐらいで、プレスティッジ期に至っては『Soultrane』ぐらいしか手持ちしてなかった。けど、今年の序盤、なんとなく『コルトレーン ― ジャズの殉教者 』を購入。これはColtraneと言えばって言われる藤岡靖洋氏の書いたもので、まあでもColtraneの事ってのは断片的に色々知ってるので今更感はあったのだけど、なんとなく、だった。が、これを読んで、スルーに近かったプレスティッジ期が気になった。して、『His Prestige Albums』という便利なセットを購入。これを聴いて、やっぱりColtraneもジャズだなあと、思う。勿論生涯ジャズだけど、インパルス期のColtraneって、ジャイアントなステップをかました後で、その名がジャンルとも思えた。アトランティック期がそのジャイアントなステップ。その辺から聴いたので、プレスティッジなColtraneはその期の必須の『Soultrane』を試して、まあ、そうか、って感じだった。けど、ここにきて、そのプレスティッジ期のジャジーが存分なColtraneが気持ちいい。と、思っている。まあ勿論、その後のジャイアントなステップがあるからこそかも知らん。けど、あれはここからつながっているって思うと、ここの音に今更ながら興味を向けることは必然かも知らん。
こういうミュージシャンって、面白いのは大体変遷時だったりする。なのでホントはアトランティック期が当てはまりそうな気がするのだけど、この時期の作品はレーベルの企画感が強くて、『Giant Steps』が圧倒的。で、Coltraneの凄さは、その変遷期からその後も変遷し続けたって思えるところ。最後の録音まで、まだまだこの後があるって、思える。あーそれはDolphyにもあてはまるのだけど、Coltraneは存命時にある程度の名声を持っていたので、なのにそこに留まらずに次を見続けた音を聴くと、その武骨に思える音の羅列に、この域って結局後進は未だに追いついてない気がする。例えばMilesやDolphyを思わせる音にライブで接する事はあっても、Coltraneを思わせる音って、見当たっていない。