The Main Man

昨夜のマス・プロジェクションを引き摺りつつ、更にもう一つ、あって、とにかく、クラシックスに着。八木美知依の2年ぶりぐらい?か、そんぐらいでソロ名義のライブ。と言っても、+ Carl Stoneで『Michiyo Yagi 〜 Solo & Duo with Carl Stone』。
1stの3曲ほど、八木さんの独奏。いつもの17絃箏と、なんか18絃とか言ってた気もしないでもないけど、まあとにかくもう1つの箏。何曲目か、で、John Cageの「Dream」。今年はCage生誕100周年ってことで、個人的にも結構Cageを聴いている。けど、「Dream」の入った『In a Landscape』は、今年初頭、たまたま教えてもらっていて、このアルバムを聴いていると、「Dream」が選曲されるというのは、正直、意外性は無かった。八木さんの音で「Dream」というのは、容易に想像できてしまう。違和感が全く無い。ので、やはり、モンク無しな出来だったのだけど、本音を言えばもう1曲、違うコンセプトのCageの曲の演奏があったほうが面白かった。その後、Stoneが加わった演奏があって、1stが終わる。
2ndは最初からデュオ状態。Stoneのラップトップってのは、エレクトロニカというよりも、ダブなんかのミキサー的な役割。だと思ったのだけど、実際どうだか?は知らんし、どうでもいい。共演が多いとも思えない組合せだけど、出てくる音楽は良すぎる位の出来。逆を言うと、外しが無い分、スリルには欠けるのだけど、それは多少は八木さんの即興を聴いてきた結果かも知らん。
まあ、注文みたいな事は書いてみたのだけど、モンクとは違う。ここまでじゃないはずだから、この後を狙うと、思う事ってのがあるって事。今夜は両セットとも短く纏めていて、そういう構成が余計を省いた気がする。
しかしまあ、実は今夜は若干上の空の気分もあった。職場の近くからバスに乗って神南一丁目に辿り着くまでに、スマホ松永孝義の逝去を知ってしまった。昨年、2度、新世界で見たライブでの松永の朴訥とした語り口が思い出された。そのベースは、強烈な重低音とは違って、低い音で歌っていた。
松永孝義氏のご冥福をお祈り致します。
マジで残念。そのソロ名義やMatunaGotaもいいのだけど、やっぱりMute Beatって思って、今聴いているのだけど、なんかな。やっぱ、とにかく、何があるかなんて誰にもわからんのだから、気になるものは後回しにせず、積極的にしたほうがいい。もし新世界が無かったら、昨年の松永絡みの2つのライブを見る事は出来なかったって思うと、巡りあわせだと思う。まあそれが、今、余計に気持ちが落ち込む原因でもあるのだけど、知らないままになってしまった後悔よりは、今の気分の方がマシ。