本田珠也 3DAYS - タナバタ・フリーセッション

楽日。ピットイン。本田とアルトサックス&クラリネット坂田明、ピアノのスガダイロー。
いきなり、ガーっと上がる、フリージャズ。掴みのテンションは色々あるけれど、客席にとってはこのパターンが一番楽しい。スゲー叩きまくる本田、スゲー吹きまくる坂田さん、スゲー弾きまくるスガ。途中で坂田さんがスガにソロを譲るために引っ込んだ以外は、ずーっとアグレッシヴ。続いては、スガの持ち込んだメロがなんかちょっとフュージョンっぽくて、なんかさわやかなんだけど、でもフリージャズ。そして1st最後の演奏は、コルトレーン・トリオ?って思った。いや、冗談抜きで。John ColtraneMcCoy TynerElvin Jonesがトリオで演奏したらこんなじゃないの?って、思わせる。坂田さんはアルトなんだけど、でも、Coltraneみたいだった。そもそもコルトレーン・トリオなんて録音聴いたことないけどさ。でも、あの60年代のカルテットからJimmy Garrisonだけ抜けると、こんなじゃないの?、って、思った。凄い。
ちょっと休憩が長かったので、2ndの冒頭は熱が冷めたあとみたいな気分になってしまい、序盤はあまり反応できない・・・。けど、徐々に、音に押されて目が覚めてくる。するとスガの、強烈なソロ。スガは弾き過ぎるタイプなので、個人的にはあまり好きなタイプじゃないのだけど、けど、この男の熱と大きいアクションは好みがどうのこうのって関係ない気分にさせる。気持ちが入ってるし、躍動感がそのまま音になってあふれてくる感じ。そして次は、坂田さんのヴォーカルを使ったエンタメを序盤に持ってきた演奏。まあこの辺は、個人的には過剰に反応は出来ないのだけど、客席は大うけ。んー、ってなってたら、坂田さんが無伴奏クラリネット状態。このクラリネットが、なぜかフルートの様に響く。まるでEric Dolphyの『Last Date』の「You don't know what love is」を聴いているような気分。なんでクラリネットがフルートの様に聴こえるんだ?って思っていると、本田の入れ込んできた音はHan Benninkしている。そしてスガもMisha Mengelberg、、、とはならなかったけど、なんかどぎまぎしてしまった。坂田さんにクラリネットは、そのフレーズにDolphyのバスクラの影響と思われるものもあって、サックスはColtraneを思わせるのに、クラリネットはDolphyなんて、内包しているものが大きすぎる・・・。って、勝手にあっけに取られているうちに演奏はどんどん熱を帯び、やばい、オレはやっぱフリージャズから逃れられないなーって、ニヤニヤしてしまった。
アンコールは、なんか聴いたことある曲だったのだけど、なんか、藤井さんかAtomicか?ってなテーマを持った曲だったのだけど、思い出せず。ここで、多分今夜唯一の本田のソロもあった。この2日間、本田のビート、凄かった。強いし多いし、アブストラクトもあれば、ジャジーもあったし。ガツガツなイメージだけど、もちろん器用な面もあるわけで、そういうのをこの2日でガーっと見せられて、やっぱ初日も行けばよかったなーって、そんな後悔までしてしまった・・・。