Jim Hall & Joey Baron

Jim Hallは全くもっていつまでも、ありきたりで済まさない人。だと、思う。現在80歳らしいけど、昨年末にリリースされたJoey Baronとのデュオ作『Conversations』でのHallは、余裕はあっても楽をしていない。単音とコードの絶妙な混ぜ方とかゾクゾクするし、そこから出てくるフレーズが、続々とゾクゾクさせる。Baronも、John Zorn絡みで名前はよく目にしてきたけれど、あまり意識して聴いたことはなくて、ここでのパーカッションを多用した演奏は、なんかフリーな側から一歩抜け出てきたような懐の深さみたいなの、感じる。
アヴァンとかフリーなジャズではないし、ジャジーな雰囲気はあってもそういう音色だけでもない。Bill Evansとの『Undercurrent』をはじめとしたJim Hallのデュオ作はどれもが聴き耳立つものばかりだけど、今回もまたしてもそういう作品。ホント、カッコよすぎるギターだと思う。