ドラびでお x ユダヤジャズ

何度か書いてるけど、ライブを見るハコはある程度限定している。職場と住処と、そこからの距離関係で決まる。そういう限定をしないと、東京ってのは恐ろしく色々あるので、ホントに首が回らなくなる。で、メインはピットインとスーパーデラックス。ここのスケジュールをチェックして色々考える。けど、オレの行動範囲外でのライブ活動が多い人も居て、その中でもいつも「んー」って思ってしまうのがドラびでお。ついこの前の日曜も秋葉でライブしてる。でもその地域には頑張って足を運ばないことに決めている。なので、なかなか、ドラびでおのライブが見れてなかった。あのせんがわの時ぐらいだよなあ。ってとこで、今夜のSDLXでドラびでお。オレが頑張らずにドラびでおを見に行けるハコはSDLX以外には考えにくかった。けど、なかなか、なかった。それが今夜だった。ヒヒヒ、って気分で足を向ける。
1stはユダヤジャズ。名前も知らなかったパターン。名前に意味があるのかどうかよくわからんなあって思っていたら、勝手な解釈で言えば、録音されたジャズの再構築だった。リ・コンストラクションって書きたいけど、なんかカッコつけてる気がしたので止めてみた。映像の持っている音と、自分の手元の色々とで音楽を作る。ジャズの映像はEric DolphyだったりBill Evansだったり高柳昌行だったりする。それらの映像が持っている音をエフェクトしたりループしたり、って書くとありがちに見えるかも知らんけど、そうでもない。ちゃんとリズムも伴っているし、前の方に進むと言うより、Madlib的なものを思わせる。その手法からは意外なぐらい、纏まった音楽になっていた。これは、ちょっと、なかなか、得した。
で、2ndにドラびでお。Billy Bangのとこで書いたように、ドラびでおツイッターは見ていて、そこで新しい楽器について書いていたのを見たけど、1stで使ったあれがそれなのだろうか? いくつものパターンが打ち込まれたと思われる、短いネック付のシンセみたいなのを抱えての演奏。その音はクラブでこれやられたら皆普通に踊りそうな音。なんか、Atari Teenage Riotの様なパンキッシュなビートの弾け方。それが、あの映像とシンクロする。あー、これがドラびでお、か。面白い、カッコいい。あの国民的キャラクターをこんな風にしてしまうのか・・・。この笑える悪意みたいなの、楽しすぎる。
3rdが揃い踏み。どちらも音と映像を扱うので、SDLXの柱間の3面の両端で各々の映像。中央でそれがミックス。音と映像が即興で絡む。ここでドラびでおはドラムセット。映像がビートのそのままで変わる。見ている、聴いている、それがなんか混乱する。そこにどちらかと言えば長回しユダヤジャズの映像が、バランスになっている。音楽も、基本、ドラびでおがビートでユダヤジャズが上モノで、ガッツリと嵌る。バランスって言うと予定調和みたいな言い方に見えるのでホントはイヤだけど、でも、バランスが上手く嵌っていた。
最初から最後まで見逃していいところが無かったのであっという間に終わった気分。でも、ちゃんとそれなりの演奏時間だったりする。なのでこれは当然物販。ドラびでおのものって、あまり売っていないので、この機会を使う。物販担当はドラびでおこと、一楽儀光ご本人。オレは普段、あまり余計な事を言わずに欲しいものを買うのだけど、今夜はちょっと余計な事を口にする。それなら今夜のライブが面白かったって事を伝えるべきなのに、よりによって「静寂も期待してます」とか、311の時の話とか、違うだろって事を言ってしまう・・・。それでもちゃんと対応してくれる一楽氏。大人です。あのパフォーマンスの感じと、この物販での感じとが違うのが、また、いい感じに思ってしまう・・・。
1つだけ残念がある。それは、ビックリするぐらい客足が少なかったこと。勝手に、混み混みで「あー、仕方ないから今日も立って見ないとなー」ってなる予定だったのに、これは立って見るわけには行かないってぐらいの数。ホント、なんでこれしかいないの? ホントに、音楽好きの皆さん今なにやってるの?って思った。ここ東京だよな? SDLXは凄くいいハコだし、そんなとこでドラびでおなのに、なんでこの数なんだろう? ホントに、今夜はそれだけがよくわからなかった。