Cathedral

とうとう足を踏み入れてしまった・・・。ヘヴィメタ系のライブを見た事が無いわけじゃないけど、ワンマンでちゃんとしたそれ、は、今回が初めて。まあ、数年前まではヘヴィメタのライブが見たいと言う気持ちは全く無かったのだけど、昨年ぐらいからか、やっぱ1度は見ておきたいなあって思ってて、たまたま今夜のクアトロでのCathedralのライブを知る。Cathedralは、初期は割と聴いてたけどここ10年ぐらいはほぼ眼中に無かったのに、昨年『Guessing Game』をなんとなく購入して、これがドゥーム・メタルというかヘヴィメタというか、そういう括りには収まらないロックで、ある意味普通のロックでもあるのだけど、それをヘヴィメタの方言で演奏していて、実は結構気に入っていた。ので、これが機会か!!って思って、恐る恐るのクアトロ。
したらやっぱ、いかにもヘヴィメタのファンが集っていて、この人達を見るのもある意味目的でもあったので、ああ、今渋谷のど真ん中でヘヴィメタの人達が集まってるなあって思った。いくつかある、ヘヴィメタの人達のイメージの、そのいくつかのイメージの人達がすぐ近くに大勢いる。しかもWilko Johnsonの時に近いぐらいの集客・・・。
SEかBGMか、聴き覚えのある曲が終わるとCathedralの登場。Lee Dorrian以外のバンドの面子の名前は全然知らないのだけど、まあ、いい。演奏が始まる。すると、やはり、キター!、ヘッドバンキング!! 自分のすぐ前で横でヘッドバンキング!! おお!、気合いはいってんな!って思ったけど、勿論オレは加わらない。外様は無理。つーか、そんなに頭振ってたらおかしくならんか?って思ったりしたけど、これがヘヴィメタ。なんだろ。この様式美はこの人達の連帯感として重要なんだろ。満遍なく拳が振りあがるのも今夜初めて見た・・・。オレは今までの人生でそんなことしたことが無いし、多分今後も冗談以外では拳を振り上げてリズムを取るなんてしないと思うけど、このスタイルこそがヘヴィメタの意味だと思う。なんか揶揄しているみたいな感じになってるけど、違う。いかにもなジャズのライブで「イェー」とか「フゥー」とか言うのも良くある事だし、レゲとかラテンなライブでクネクネとリズム取るのも、インプロなライブで自分は今ここのところの音をよくわかっているとでも言いたげなわざとらしいフンフンな態度も、ヘヴィメタのヘッドバンキングや拳振り上げと同じ様式美。結局、どんなジャンルでも反応の仕方は大体決まっている。ヘヴィメタのそれはネタにされやすいけれど、ハッキリ言ってどのジャンルでもやってることは大差ない。
あああ、で、肝心のCathedralの演奏。これがちょっと、『Guessing Game』の様な多用なスタイルと音というわけには行かず、ドゥーム・メタルという言葉からのイメージほどのドロっとした遅さでもなく、実は割とHR/HMという書き方が似合うようなものだった。ヘヴィメタと言い切るには、Dorrianは金切り声皆無だし、ギターもキラキラとした早弾きでもない。なのでHR/HMと思った。『Guessing Game』的な音楽性のライブだったら、より、印象深いものになった気がするけれど、この感じだと多分、Cathedralは録音物とライブは別物として扱っている。でもそのおかげで、予想よりもヘヴィメタ色の濃いライブを目の当りにできたのだから、いい経験だった。