菊地雅章

昼の部の1stが見たかったけど、当日券は難しいとの事で諦めた。夜の部はちょっと住処から離れられない理由があって、まあ、いい。
菊地雅章のライブは1度だけ、しかも、2セットを違うピアノのデュオが演奏するするクリスマスのライブを見ただけで、なのでわずかしか知らない。クリスマスなのでその時の付き合っていた子と行ったのだけど、帰り道にそいつが椅子が固くてどうのこうのとブツブツ文句言ってウザかったのを思い出す・・・。
今夜部屋にこもるなら、プーさんを集中的に再生するのが義務みたいな気がしたのでそうしている。けど、世評の高い『Susuto』を、実は、あまり、気に入ってない・・・。でも折角なので久々に『Susuto』を聴くと、エレ期のMilesとフュージョンなMilesの丁度中間みたいに聴こえる。しかも、そのファンクはMilesよりもFela Kuti的な音で、なんかツルっとした音の表面は相変わらず好めないのだけど、聴きこむと馴染む気がした。
普段、プーさんの再生をする時に好むのは独奏集。何枚もリリースされているけれど、どれが特に良いとか思わず、どれも気に入っている。最初に買ったのは『After Hours 2』だったはず。そのタイトルに抵抗感があったけど、なんとなくプーさんの独奏集を聴いてみたいという気分だったので、その時たまたまそれしかなくて、まあいいか、って選んだ。したらこれがジャズの官能と繊細が入り混じって、なんとなくこれがプーさんの本質の様な気がして、その後、独奏集を手に取る機会が増えた。そして、それでそれ以前から聴いていたTethered Moonも好めるようになった。Tethered Moonは、ジャズとしてはあまりも繊細に聴こえていて、元々フリージャズのガンガンが好きなオレには、フリーインプロの間引きよりも馴染めなかったのだけど、色々氷解。Tethered Moonは、プーさんの音楽を表現する最高の面子だと思う。
けど、オレがプーさんですぐに思い出すのはSlash Trio。このトリオの1st『Slash 1°』を聴いた時にぶっ飛ばされた。勿論、それ以前からRuinsや高円寺百景を聴いて吉田達也というドラムは知っていたけど、変なドラムだなあって思っていたけど、イマイチ、なんか、しっくりこなかった。簡単に言えば、ドラムという楽器の持つ迫力を、その録音物から感じなかった。まあ、ライブで見れば印象は変わるかも知らんけど、当時は録音物に良い印象が無いのにライブを見に行くほど、積極的な行動はしてなかった。けど、Slash Trioで吉田のドラムは凄い音をかましていて、呆気にとられた。吉田達也恐るべしって、この時初めて思った。ジャズトリオのはずなのに、全くジャズしない吉田。フリージャズとも違う語彙と、自分のジャズの音色のプーさん。んー、プーさん自身がドラムトリオと言っているのが全く納得。このトリオでは4作出ているけれど、どれもヤバイ。けど、やはり最初に聴いた『Slash 1°』のインパクトは忘れられん。ジャズという音楽を聴くようになってから、徐々に色んなスタイルのジャズを知ったけれど、その上で聴いた『Slash 1°』は、もしかしたら阿部薫を知ってから今までで最も衝撃的だったかもしれない。
って、久々にプーさんだけを集中的に聴いていると、やっぱ、ライブ、見たい。絶対回復して日本でライブして下さい。よろしくお願い致します。