■

丁度電話中だった。相手は福岡にある九州支店の子。すると揺れた。「なんか揺れてる」と言ったら、相手は意味がわからないらしく、まあ、当たり前なのだけど、それで「地震っぽい」って言いながら、それでも通話はしていたのだけど、「なんか揺れが大きくなってきた・・・」と言ったら、相手は「まずくないですか？　電話切りましょうか？」と言ったのだけど、「いや、もう治まるだろ・・・」って言っていたら、より強くなる。さすがに「やっぱマズイかも　ごめん、電話切る」と言って電話を切り、だんだん騒然とする中、様子を伺う。場所は西新宿の高層ビル。耐震については知っているけれど、机上の話を完全に信じられない。けど、だからと言ってこの場所からはどうしようもない。万が一があったらここで終わり？　そんな事を考えた。いくらなんでもここではイヤだな。とか考えて、やっと治まる。揺れている間、窓から見える他の高層ビルを見ると激しく揺れていて、こっちも揺れているし向こうも揺れているからその揺れは倍ぐらいに見える。揺れが止まって、即ネットで情報を検索。とかしているとまた揺れる。さっきよりでかくねーか？って思う。もちろんそれも事なきを得たのだけど。
して思った。今夜は高円寺Highで静寂を見る予定。大丈夫だよな？、見る事出来るよな？って思ったけど鉄道が全面ストップ。そして結局今日は延期という事を知る。あーあ、やるなら高円寺まで歩いてでも行くつもりだったけど、仕方ないか。と思って、なら、と、考える。今夜は静寂かもう1つか結構悩んだ選択だった。もう1つはMelvins。慌てて調べる。が、こっちも当然の様に中止だった。
ここ数年はやらんくなったけど、前は休前日に新宿で飲むと、ウチまで歩いて帰ったりしていた。酔っ払って延々歩くのが結構好きだった。なので、鉄道全面停止という状況でも、歩いて帰れると余裕。というか、オレは帰りはNHKのとこまでバスで行って、そこから歩いて帰るのがパターンで、バスは動いていたのでそれで帰るとしたら普通の事。けど、今日はバスに乗るのもままならんだろと思って、最初から歩く事を決めていた。その帰路、予定外だったのは、大量の人が同じ様に歩いて帰ること。酔っ払って歩いていたときは当然深夜で、なので歩いている人はかなり少ない中で歩いていたのだけど、今日は報道されているようにビックリするような歩行者の数。これだけ人がいると歩くのが遅い人がいるのは仕方が無いとしても、狭い歩道を並んで歩こうとして抜きにくくさせる連中や、対抗から団体で道をふさいでくる連中。しかも避ける気が無いのか、思いっきりぶつかってきやがる。かなり苛立ちながら、けど、揉めても仕方ないので立ち止まらず進む。そして某歩道橋。ここで対抗の連中の数が多く、こちら側の道をふさぐ。けど、通らないわけには行かないのでギリギリなんとか通っていると、この狭い歩道橋の上でもぶつかってくるアホ。洒落にならんぐらい危ない。集団心理でいきがってんじゃねーぞ、ボケ。
そんなこんなで住処の近くまで辿り着く。けどこのまま帰るとアルコールが無い。なので遠回りだけどいつものマルエツ（プチ）。結構客居るなあって思いながら欲しいものを手に取ると、なんと見た事の無いレジ待ちの数。売り場を少しずつ進んで、レジ近くに来るとカップラーメンの棚があるのだけど、ここが空っぽ。なるほど、こういうときはこういう事になるんだなって、認識した。
なんやかんや部屋に辿り着く。ドアを開ける。唖然。散乱した玄関。靴の脱ぎ場が無いぐらい、荒れている。開けたドアが閉まらん・・・。それでも恐る恐る中に入って更に唖然。散乱というより、錯乱したような部屋。CDが当たり一面。色んな気力がここで無くなった。

10分ほどボーっと嫌な気分になりながら、なんかちょっと人生考え直さなければいけないなあと、思う。CDが錯乱したこんな部屋、自分のキャパシティを越えた物欲は間違っているとしか思えん。もうこのCD全部捨ててやろうかなって短気が出てくる。それでもまあ、とりあえず田舎に電話してピンピンしていることを伝え、例え捨てるにしても、このままって訳にはいかんのだしってんで、またしてもCDを積み上げる。ボロボロになったケースがいくつもある。領収書の類も訳わからん状態。朝までは狭いながらも自分にとっては大事な場所だったのに、今ではこんな。この後、まだまだ片付けは続く・・・。
けど、こんなことどうでもいいぐらいの大きな被害を受けた人と場所がある。泣き言言っている場合じゃないなあ。そういう人達に対して申し訳ない気分。