Bill Laswell presents ... TOKYO ROTATION 5

John Zornが来日できず、元々の予定の高橋悠治も参加せず、まあ、例年どおりな面子になったTOKYO ROTATION。けど、今夜はトラがドラムの千住宗臣という事だったので、これは昨年までとは違うので、今夜を選んだのだけど、結局千住から仙波清彦に変更。あまりよく知らない仙波という人だけど、だから面白いか、と、思った。
1stは、ベースのBill Laswell、電化トランペットの近藤等則、ドラムに仙波清彦、そしてDJ Krush
なんやかんや、TOKYO ROTATIONとタイトルされているライブを毎年見ているのだけど、なので、実は大体、感想は変わらないのだけど、特にLaswellと近藤さんとKrushが揃うと、Miles Davisのエレ期の様な音楽になる。そして今夜は、ドラムの仙波が、ドラムと書いているけれど、ドラムセットの前に置かれた小物類で遊んだり、その横に置かれたパーカッションを叩いたり、勿論ドラムでビートしたりと、1人でエレ期なMilesの叩きを再現してしまう。仙波がドラムに固執しないから、Krushのビートがコントロールする場面も多々あって、だけど仙波はそれに向かうんじゃなくて、上手い事受け渡したりしつつ、ビートが溢れる。Laswellはあの、レゲなラインでこちらの気分を上げるし、近藤さんのエレなラッパは、それらの上で自由に咆哮。ジャズのハコだけど、座らされているけれど、グルーヴがガンガンで、ヤバく、楽しい。
2ndはサックスとクラリネット坂田明が加わる。1stのエレ期Milesを4人で消化してしまった音の後のセット、ここは更に、音楽の変化が加わる。Laswellのベースはレゲする場面は減り、Jacoを思わせるテクニカルな音の連なりをところどころ、交える。それでも、リズムがフリーに走るわけじゃなくて、仙波もKrushも、変化しながらグルーヴは無くならない。その上、を、坂田さんの咆哮。この面子で、最も、ジャズするのが坂田さん。フリーに音を鳴らし続ける。けれど、全体はフリージャズとは違う。かなりパーカッション寄りの仙波のリズムとKrushの持ち込むビートが、揺れさせる。リズム隊にも坂田さんにも共鳴する近藤さん。これらがちゃんと一塊するから、セッションという言い方が似合わない音楽になったと思う。
2セットが違う事を狙っているとは思わなかったけれど、1stが内側にくる音で、2n
dは外に開かれた音に聴こえた。この違い、勝手に思っているだけだけど、Laswellのやっていた事が1stと2ndで明らかに違っていた事の結果だと思う。