オレ等はアウンサンスーチーの事は知っていても、當山栄の事は知らない

辺野古への米軍基地新設反対闘争のテント村村長という立場の當山栄さんが逝去されたというニュースを辺野古通信のブログで知る。當山さんの名前を知っていたわけではない。けど、信念を持って抗い続けた人の訃報には胸が痛む。謹んで、ご冥福をお祈りいたします。
こういうニュースを見ると考える事がある。辺野古だけじゃなく、色んな不条理と向き合ってホンキで抗う人達がいる。相手は国に限らず、企業だったり個人だったり顔の見えないネットの中だったりする。その人達は勝つ為じゃなくて、そうするしかない状況に追い込まれたのだと思う。耐えがたきを耐え忍びがたきを忍ぶ。そういう人達も音楽を聴くはず。當山さんはどんな音楽を聴いていたのだろう?
オレの経験で考える。ボロボロだったどうしようもない時期、アヴァンとかジャズとか、そういう音楽を聴く余裕は無かった。ギリギリの自分を奮い立たせてくれるものしか受け付けない。体がそれしか受け付けない。それはその言語を解さずとも伝わってくるものがあるClashだったりSpringsteenだった。そしてなにより、じゃがたらの「そらそれ」だった。
ここ数年、少しずつ仕事の事で追い込まれてきて、先週は特にその事がどうしようもなくなった。出来るのなら、今の仕事を離れて生きていけるのなら何でもいいから職を変えたい。東京から離れるのも問題ない。そういう気持ちが日毎したこの数年。だけど、今更違う事が出来るのか? それを許容してくれる業種は何? とか、考えていた。休みのこの2日間、そういう事を考えていたら、昨夜eRikmのライブがある事を忘れてしまっていた。んー、とか思いつつ、でも自分のブログを見ると、即興やそれに近いようなライブに通っている自分。そうか。時間が経ちすぎて忘れてしまった若い頃の追い込まれた感覚に、今はまだ達していない。オレの人生で最も必要な曲、「そらそれ」を聴くのを忘れていただけだ。