沖縄県知事選挙

現職の仲井真弘多の再選。対立候補伊波洋一は及ばず。
一応どちらも普天間基地の県内移設反対という姿勢だったけど、仲井真のそれは選挙対策の為の方便である事はバレバレ。だけど、それでもそういう事を言うだけで、それならばと、投票しやすかった人もいるはず。伊波は前宜野湾市長。真っ向から基地反対という姿勢。この戦術で、得票率が6%未満の差にしかならなかった事に少し驚いた。この微妙な結果が沖縄の本音なのだと思う。見た目、沖縄というところは知名度もあるし観光なんかで潤っているように思う人もいるかもしれないけれど、実際の経済状況はかなり酷い。国からの大きな事業に投資されたお金は結局本土に戻る。
那覇空港が今みたいな豪華絢爛になったのはいつからだったか覚えていないけど、あれもかなりの大赤字。今年帰郷した時にオレの兄に「アホな赤字空港」と言い放ったのだけど、顔を真っ赤にして反論してきたのを思い出す。確かにあそこで土産物は物色しやすくなった。だけど、それで街の土産屋は苦境に立つ。沖縄に落ちるお金は変わらないんだよ。なのに大きな赤字を背負った空港を維持してどうなる? これが餌付けされた姿だと思う。
個人的には市町村別の結果に注目していた。読谷〜西原のところで伊波が勝っている事にホッとする。嘉手納は基地で潤っている町なので別口。オレは西原というところの出身なので、このラインが革新地盤である事を知っていて、だからここのラインで伊波が負けるようであればホントに沖縄には先が無いと思っていた。だけどさすがに意地があったようで、ギリギリだったりしながらも存在意義を見せた。宜野湾も当然意地を見せた。だけど残念なのは浦添那覇。やったーじんぶんねーんばー? 意外にもオレの本籍地の今帰仁でも伊波が勝っていて、そこは父親の生まれ育ったところでオレは住んだ事は無いのだけど、オレが姿勢のルーツがわかった。
沖縄の公立の学校での公式行事に君が代と日の丸が義務付けられた。それを最初に押し付けられたのがオレ等の中学の卒業式だった。権力の犬の校長&教頭VS一般の教師&PTAといういざこざがあって、卒業式は予定より2時間遅れで始まった。体育館に入って式が始まる。壇上には日の丸。オレ等には異様な光景。白々しく国歌斉唱の時間が来る。だれも歌わない。思想以前に歌ったことが無いから歌詞を知らない。知っていても歌わないけど。そして卒業証書授与。イチイチ1人ずつ壇上にあがって手渡されるあれ。異様な雰囲気の卒業式。だけど状況が変わる。卒業証書を受け取る為に壇上に上ったやつが日の丸を叩いた。ざわめく。その後も続く。ざわめきは大きくなる。オレは2組。1組の連中がそれをやるのを見ながら、オレ等は歓声を挙げる事で加担。それに加わる多数の連中。恐らく教師やPTAも。そして何人目かが、壇上から下に落としやがった。大きくどよめく。そこに待ち構えていたヤツがライターを取り出し、、、え?、なんで中学生がライター所持?、なんて事は今さら。そいつは火をつける素振り。これは今思えば集団心理というヤツ。ちょっとマジで火をつけないと引っ込みが付かない状態になり、慌てて教頭が飛んできた。「お前たちは何なんだ!!」と恫喝して日の丸を持ち去った。すると体育館内、今まで聞いた事の無いような大きな拍手と歓声。その後日の丸が再度掲げられる事は無かった。
これは実話。3つほど学ランのボタンが無くなった状態で帰宅して、TVを見る。日の丸問題のニュースが流れる。オレ等の様に抵抗した学校の様子が流れる。それを見ながら、ウチの中学を取材に来なくてよかったな。こんなもんじゃ無かったよ。と、思った。
オレは沖縄以外の日本とか日本人が嫌いなわけじゃない。ならば今、東京にいる事がおかしい。どちらかと言えば東京の方が肌に合っている。まあ、日の丸を見るといい気分はしないし、死んでも君が代を歌う気は無い。何かを突き立てられて「歌わなければ殺すよ?」という状態にされたら歌うかも知らんけど、でも、今でも歌詞知らん。
何が言いたいのかわかりにくいかもしれないけれど、抵抗するという姿勢は必要だと思う、という事。抵抗すれば、時々、勝つ。知事選で負けたから何? 本気で基地を無くしたいなら、より一層、強く抵抗して見せろ。なまから。