沖縄県知事選挙

東京でTVなんかで取り上げられるものを見ていると、今度の日曜に沖縄県知事選がある事には気付けない。わざと?というぐらいに無視されている。タレント候補という理由で大阪府知事選とか宮崎県知事選とか、あんなに騒いでいたのに、焦点の定まった沖縄県知事選は無視? マスコミに何かの意図が見え隠れするように思ってしまう。
ただ、だからと言って、オレも含めて、沖縄に住まない者がわかったような顔で意見するのは違う気がしてきた。誰を選択するのか?は、あくまでも沖縄に住む者が考えるべき事。生活の為に人殺しの為の新基地建設を望む者が居たとしても、それを非難出来ない。オレは若い頃、2年ぐらい、徹底的に苦しい生活をした事がある。経済的な貧しさと先が全く見えない不安が常にあって、その日暮らしならまだよくて、取り返しのつかない後悔もいくつもある。ギリギリ生きるというだけの2年間だった。そんな時に、なにか高尚な理由で選択は出来なかった。自分の為だけの事しか考えられなかった。
前々回沖縄に帰った時、確か5年前ぐらいだと思うのだけど、東京で同じ職場だったこともある知人にあった。彼は既に結婚していて、2人目の子供が生まれたばかり。家族4人の生活はそいつ1人の稼ぎで賄われていたのだけど、既に30代なのにその手取りは20万に届かない。リーマンショック以前から、沖縄ではこんな状態。これで家賃を払い沖縄の生活では必須な自動車を維持し、食っていく。そういう生活を目の当りにして、厳しい選択を促すことは出来ない。子供たちの未来の為に、という言葉は理解できるのだけど、その子供たちを生かす事が出来なければ、未来の話はない。
その知人は数年前から連絡が途絶え、今年久々に沖縄に帰った時に状況確認したかったけど、メール、ケータイでの連絡もつながらない。そいつの結婚式の時、オレは沖縄に帰った。その翌々日東京に戻ったのだけど、披露宴の後は当然一緒に飲み、翌日も一緒に飲み、そして帰る当日は、オレが何時の飛行機で帰るのか知らないにも拘らず、その嫁と一緒に空港まで見送りに来ていた。「何時に帰るなんて言ってないよな?」というと、「何時に帰るのかわからんかったので朝から待っていた」と言った。その時にオレが乗った飛行機は夕方に近い便だった。
でも勿論、出来れば伊波候補が勝って、新基地建設に対して否定が沖縄の選択になって欲しい。ただ、これが選択されるのは、厳しいはず。もし、米軍基地というものが圧倒的他者として存在するんじゃなく、文化の交流がなされる一役をかっていればもっと別な状態があったかもしれない。物資の交流はあっても、米軍基地は金網越し。