The Blankey Jet City

昨夜のライブを見終わって、その足でタワレコ。5階で想い出波止場の『金星』『Vouy』『大阪・ラ』と山本精一の『ギンガ』と大友良英の『大友良英のJAMJAM日記』とMMの最新号を購入。とりあえず想い出のCDを『大音楽』の箱にいれてニヤつく。これはNapsterには無い楽しさ。

MM最新号の特集はBlankey Jet City。既に終わったバンドをMMで特集する理由は『Monkey Strip Act2』と『Rare tracks』のリリース及びSHM-CDでのアルバム再発。でも元々MMは現在の音楽シーンに直接関わるものを取り上げ、過去のものはレココレの役目だったはず。最近こういう事を積極的にやるようになったMMの編集長によるレココレ潰しですね、これは。



『Monkey Strip Act2』と『Rare tracks』はリリースされれば手にする。だからそこで書けばいいログかもしれないけれど、MMの特集やJoy Heightsのライブを見たばかりなのでこのタイミング。

MMでBJCの再結成を望むような記事をいくつか目に出来る。気持ちはわからないでもないけれど、個人的にはどうかと思う。BJCがデビューした頃、オレは全く気に留めてなかった。イカ天出身のバンドという事で、侮った考え。だけど3rdの『C.B.Jim』を手にする。「悪い人たち」が切欠。メジャーでのリリースを拒否されたこの曲をインディーでリリースし、拒否された部分をオフにして『C.B.Jim』に収録という話題に引っかかった。リリース拒否されるような曲を書く気骨に興味。そこからBJC解散まで嵌りまくった。だけどライブには足を向けていない。『C.B.Jim』を手にしたころはオレは酷い状況で、とてもそういうモノを見に行く余裕は無し。その後マトモに近い状態になったらなったで、なんとなく今の自分があの手の音を間近で接していいと思えないという考えすぎがあって、結局BJCのライブは知らないまま。再結成されればライブを見に行ける可能性が出来るのだけど、なんとなくそれを避けたい気持ちと、1度止まったもののオリジナルでの再結成は好ましく思えない。



Love Flash Fever』がリリースされた頃、発売日にタワレコでそれを手にとってレジに並んでいたところ、目の前にいた如何にもOLな綺麗な女の子がオレと同じそれを持っていて、なんかこの子カッコいいなと思った事を思い出す。見た目と持っているモノのギャップが大きいほど、そういう事を思う。



個人的には『Metal Moon』がBJCで最も気に入ったアルバム。椎名林檎にとっても無人島の1枚だとか。オレはその人には興味無いけど。

ジャジーと言える展開から終盤一気にパンクする「お前がほしい」に掴まれる。軽快なテンポと序盤可愛らしい「Sweet Milk Shake」は、対比する辛辣な言葉。色を上手く歌詞に取り込んだ「Orange」はアルバムの終曲「鉄の月」とも絡む。悲痛な「脱落」。BJCで最も美しい「綺麗な首飾り」。そしてBJCで最もヘヴィーな「鉄の月」。

わずか6曲のアルバム。このアルバムが第2期BJCの始まりという記述をよく目にする。だけどこのアルバムは、第1期BJCの結論に見える。



BJCを聴く事は、正直言えば浅井健一を聴く事だった。時々照井利幸の曲もあった。中村達也はあくまでもドラムという存在。でもそのビジュアルもあって、存在感は大きかった。その中村は、原爆オナニーズ、The Stalin、The Star Clubという、日本のパンクの歴史で重要なバンドに参加した経験がある。さらに、BJCがイカ天に出ていた頃には、その番組収録をとばしてLaughin' Noseのサポートに回った事もある。スカパラのサポートもあったし、あのJohn ZornPainkillerとして共演もしている。現在Friction。それ以外にも多多のバンド。

この間のMudhoneyとJHのダブル・ヘッダーの感想をネット上で見ていると、Mudファンからの好意的な意見はあまり見つけられない。というより、触れてすらいないものもある。オレのログも一見誉めたような内容ではないけれど、それは以前と次を見据えているから。Mudに引けをとるという事は全く無い。



BJC後の浅井はAjicoSherbetsの『Vietnam 1964』までは追ってみたけれど、そこで止まった。だけど完全に興味が無くなったわけでもなく、だからLgBを手にした。



多分オレの様な考えのヤツほど、本当はBJCの音を望んでいる。だけど再結成を望む事とは違う。今の中村達也ほど頼もしい存在はいないし、浅井健一にはどこかでもう1度揺さぶって欲しい。そして照井利幸には、RossoよりもTwin Tailでの今後に期待。