Shine a Light

「それでも人生は続く」という言葉を発したのはサッカーのフランス代表だったトレセゲ。だけどそれ以前に「たとえ今日負けても、人生は続く」という言葉をテニスのメチージュが残している。いずれも、自分の中で苦しい時間に意地で口にした。



切り替え。



今夜は今年初の映画鑑賞。年に数回しか行かない映画館なのに、その数少ない弾をこんなに早く使ってしまった。足を向けたのは『Shine a Light』。The Rolling Stonesのライブ映画。このところアングラ気味な自分のバランスの調整も兼ねている。

やはりこの映画、注目は65歳のMick Juggerの腹と体のキレ。なにあの腹? 腹筋割れてますけど? 65歳のヴォーカリストの腹というより、ストイックなスポーツ選手のそれ。そしてあの体のキレ。こんなに体の動く65歳は他にいないだろ? Mickでいつづける事を選んだ男の生き様を見せてもらいました。

そしてKeith Richards。『Pirates of the Caribbean』のせいでJack Sparrowにしか見えない・・・。Mickと違ってでっぷりとした腹に歳相応を感じる。動きは緩慢になりつつあるけれど、ポーズは昔より派手になったような気がするし、ギターは相変わらずKeithなギターだし、やっぱりKeithはKeithだな。と。

で、皆のアイドルCharlie Wattsにはさすがにあまり時間を割いてもらえないのだけど、全くマイ・ペースでバンドを支え続けてきた音は不変。映画の最後の4人揃ってのカーテンコールを見て、初来日時のカーテンコールで何故かKeithのギターを持たされていた事を思い出した。

ミスター・サイドマンなRonnie Woodにも大きなスポットライトは少ないけれど、この人の佇まいがストーンズに余裕を与えたと思う。RonとKeith、どっちがギター上手いか?って、そんな質問をしてはイケナイ。



時々入るゲストも個性的で、Jack Whiteはもしかしてヘテロではないのか?とか、なんかキラキラに白いCristina Aguileraのエロさもよかったけど、やっぱBuddy Guyの存在感。全く臆することなく自分の音で魅了し、そしてそれをキチンと受け止めるストーンズもさすが。ブルースを筆頭にしたアフロ・アメリカン音楽への敬愛からここまでのバンドになったストーンズだから、当たり前の事だけど。



曲については『Shine a Light』のインプレの時にも書いたように、古い曲であってもスタンダードになったそれらは今でも相変わらず魅力的。最強のエンターテインメントは、アートとかいう価値観を軽快に超えていった領域。



Mick Juggerを燃やすのは当然ダメです。