Steve Reich

このところというか、チケットを手に入れてからは毎日Steve Reichを聴いてる。今まではSteve Reich Ensemble かReichが直接関わったものしか聴いてなかったけれど、それ以外のもの、Bang on a CanとかEnsemble Modernの物などを手に入れて聴きまくり。さらに最近、Reichの新作『Daniel Variations』までもがリリースされた。

『Daniel Variations』は、新作としてリリースされたことからわかるようにReichの新しい作品。21日のコンサートで日本における初演が聴ける事になっていたし、それが楽しみでもあったけれど、レコファンで『Daniel Variations』がクラシックのところじゃなくて洋楽のベテランの新作及び旧譜再発の注目作が並ぶところに置いてあり、「これってSteve Reichって書いてあるよな?」と目を疑ったけれど、Nonesuchだし『Daniel Variations』と書いてあったので、即手にした。

「Daniel Variations」は、「2002年にパキスタンで殺害されたユダヤアメリカ人ジャーナリスト、ダニエル・パールの遺した言葉と旧約聖書のダニエル書をテキストにしたラージアンサンブル曲」という説明がある。要するになんらかのメッセージがこの曲にはあって、それは前々作の『Three Tales』と同じやり方。

ここで歌われているテキストが何かは知っているけれど、それをどう理解するのかについては迂闊な事は言えないので割愛。理解という点では、聖書というものに対する知識がある程度必要だと思われる点も、オレごときで言葉を発する事を許されない雰囲気を作っている。

楽曲は焦燥感漂うもので、ピアノやヴァイオリンの音が時折ドラマ性を表現している。そしてここでのコーラス隊の歌声を聴いて、Reichという作曲家は、声と楽器のアンサンブルという点において、恐らく最も優れた表現力を持っているのではないだろうか?等と、わかったような事を考えさせてくれる。

そして勢いのままに、昨年発売されていた『City Life』も手にする。これは96年のアルバム『City Life』のタイトル曲の製作秘話や、Ensemble Modernの初演の模様を収めたもの。「City Life」ではサンプラーを使った音が随所に取り入れられているのだけど、それはReichがNYでフィールド・レコーディングしたもので、その音を使って作曲する姿や、Ensemble Modernがコンサートに向けての練習を行っているシーン等、コンサートに向けてオレの気分を盛り上げるのに一役買ってくれている。









Steve Reich 『Daniel Variations』









Steve Reich 『City Life』




今度のコンサート、21日は「Daniel Variations」、22日は「Drumming Part 1」と「Proverb」、そして「Music for 18 Musicians」が両日演奏される事になっている。両日とも足を運ぶ立場からすれば「Music for 18 Musicians」は1日だけにして他の曲を演奏して欲しいのだけど、まあ、仕方が無い。予習の意味でこれらの曲を繰返し聴いているのだけど、今まであまり気にしていなかった「Proverb」(『City Life』に収録)の美しい歌声にかなり心が奪われている。やはりReichという作曲家は・・・。