Doudou N'Diaye Rose Percussion Orchestra

なんかのライブでのチラシで目にして、そのチラシ程度の予備知識のままで東京国際フォーラムへ向かう。ここに足を踏み入れたのは、Joao Gilbertoのコンサートと2002W杯の時にチケットを取りに行ったぐらいしかない。明らかに縁遠い場所。それなのになんとなく見てみたいという、かなりいい加減な理由で向かう。チケットさえ買ってなければ行かなかった。後悔しながらそれでも向かった。

銀座まで来てみて、もう何年も前というレベルではないぐらいの見覚えがある。おかしい、と思いながら勘で国際フォーラムへ向かうと無事にたどり着く。気が付く。Sonny Rollinsの最後の来日という宣伝に騙されて来たじゃん、オレ。あれは2年半前か、それでも結構経ってるな・・・。

後悔した事を後悔する。総勢20人の打楽器奏者。各々が持っているのはジャンベなのかタムタムなのかコンガなのかオレにはよくわからなかったのだけど、とにかく1人1つずつのヘッドで演奏する。譜面があるわけでもないのに一糸乱れぬ演奏。バチのようなものでテーマを叩く時の音の迫力は圧巻。なんとなく単純なリズムが徐々に盛り上がっていくのかと思っていたけれど、実は巧妙にリズムは変化していて、打楽器しかないのに全然飽きない。視覚という点でも、叩きながらダイナミックに踊ったりするし、全てを取り仕切るDoudou N'Diaye Roseの動きはコミカルでもあり、ショーとしても楽しめる。

意外な発見は、コンガ的な音が速いリズムを奏でるとラテンの様に聴こえるところで、これはラテンを取り入れたのかそれともアフリカには元々そういう要素があるのかわからないけれど、その部分がアクセントとして面白い役割を担っていた。

構成は休憩を挟んだ2セット制になっていて、2ndの頭に日本人の和太鼓の2人組の演奏があり、出てきた時は興ざめな気分だったけれど、実際には結構気持ちのいいリズムを叩いていて、なかなか聴かせる。洗練されなければいけない部分はあったけれど、リズムを送るという部分では文句無しで、こういうアプローチも捨てたもんじゃないと思った。

まあとにかく楽しかった。後悔した事を後悔しているけれど、楽しかったからいい。なんとなく行ったライブなのに、オレの嗅覚もまだまだ大丈夫。だと思う。