Bloodthirsty Butchers

なんとなく最近、まだ20代前半だった頃に聴いていた日本のロックを引っ張り出して聴いている。Bloodthirsty Butchersは何故か1stの『Bloodthirsty Butchers』から知っていて、『未完成』の頃までは新作を聴き続けていた。でも、個人的には印象に残っているのはメジャーデビュー盤の『Lukewarm Wind』まで。世評の高い『Kocorono』、その次の『未完成』も手元にあるけれど、どんな音だったか覚えていない。簡単に言えば、オレには面白い作品じゃなかった。それならば今、それをあえて聴いてみるかといえば、そういう事はせずに『Lukewarm Wind』までの3作の好きな曲を選んで聴いてしまう。

アルバムで聴くと、1番気に入っているのは2ndの『I'm Standing Nowhere』。選ぶ曲も、このアルバムの中のものが多い。特に、何度聴いても飽きないのが「Alligator」から「Thursday Afternoon」のつなぎ方。ここのつなぎは、オレの知っている日本のロックで最も耳が引かれる。「Alligator」はButchersの曲の中でも最も好きな曲だと言えるのだけど、その曲に耳が持っていかれていると、気が付くと「Thursday Afternoon」というインストに変わっている。「Alligator」の終盤、ノイジーなギターが顔を出し、それがアグレッシヴに展開しているのを聴いていると、トラック上は「Thursday Afternoon」の冒頭になっている。だからこの2曲は、オレには1曲に聴こえる。

久しぶりにButchersを聴いていると、オレは吉村秀樹のギターの音、特にそのフィードバックが好きだったという事を思い出す。Dipのヤマジもいい音のフィードバックの印象があったけれど、「OMAE GA DAI-KIRAI DA」とか聴いていると、吉村の強いフィードバックの方がオレにはしっくり来る。