富樫雅彦

8/22に富樫雅彦さんが亡くなられたという事を今日知った。富樫さんの名前は勿論大分前から知っていたけれど、タイコ叩きを特に注目するようになったのはここ数年だったりするので、最近まで富樫さんの音を意識的に聴く事は無かった。だけど朴在千 / 大友良英のライブを見て、大友良英のブログに朴在千を「ある意味富樫雅彦さんの唯一の後継者ともいえる」と書いてあって、朴在千の音が気に入ったオレは富樫さんの音が聴きたくなり、手元にあった高木元輝との『Isolation』と、佐藤充彦との『双晶』、サイドマンとして加わっているGary Peacockの『Voices』を聴いた。そして富樫さんのリーダー作を聴いてみたくなり、レコファンで中古の『Song for Myself』、『Spiritual Nature』、『The Face of Percussion』を手に入れ、特に『The Face of Percussion』を数多く聴いているところだった。富樫さんの状態が思わしく無い事は情報として知っていたけれど、もしかしたら回復していつかオレもライブで音を聴く事が出来るんじゃないかと淡い期待を持っていたのだけど、それは叶わない事になった。

知ったようなことは書けないけれど、1969年に下半身にダメージを追った富樫さんは、その後、独自のスタイルでパーカッション奏者として再起し、ビートに執着するだけでは生まれえない音を放っている。『The Face of Percussion』はソロ演奏のアルバムで、ここには100%富樫さんの音が詰まっているから、オレはこのアルバムで富樫さんの音を体に埋め込んでいる途中だった。

この音に出会う事は今までニアミスだったのだけど、それがそうじゃない状態になって、富樫さんにもBaileyと同じものを感じていたところでの訃報。正直言ってやるせない気持ちになっている。