Billie Holiday

ジャズをあまり聴かない人、ジャズに興味の無い人でも、その名は聞いたことがあると思われるBillie Holiday。「Strange Fruit」のイメージが強いせいかシリアスな面ばかりが強調される傾向があるけれど、そればかりがLady Dayの持ち味ではない。確かに、「Strange Fruit」の抑制の効いた歌声は聴く者の心を揺さぶるものがあるけれど、実際は甘さを持った歌声でもあり、そういう面にも耳を傾ける事でより多くの魅力を感じる事が出来る。

突然Billie Holidayの事を書いたのは、実は7/17はBillie Holidayの命日であり、それは偶然にもColtraneと同じなのだけど、例年この日はColtraneの音を聴いているけれど今年は少し気分を変えてBillieの歌を聴いているから。オレが気に入っているアルバムは『The Lady Sings』で、このアルバムでは「God Bless the Child」のコーラス隊がゴスペルを思い起こさせる雰囲気を作っているけれど、それ以外の楽曲はスイートな歌声とあの時代のジャズの音が詰まっていて、ジャズの歌のコアな部分を感じる事が出来る。




ちなみにBillie Holidayの愛称はLady Dayと言うのだけど、Lou Reedの『Berlin』には「Lady Day」という曲があり、それはBillie Holidayの事を直接歌った内容ではないかもしれないけれど、『Berlin』というアルバムに漂う陰鬱な雰囲気は、「Strange Fruit」なBillie Holidayのイメージにつながる。

そして「Strange Fruit」は誰もが一度はその歌を聴いて、そして歌詞の内容を知るべきだと思う(Wikipediaで「奇妙な果実」で検索して下さい)。あの時代にこの曲を歌ったという事実は、Fela KutiやVictor Jaraと同列に並べて語られるべき事だと思う。