Beastie Boys

何度か書いているような気がするけれど、やはり80年代のヒットチャートなものはかなり苦しい。80年代が丸々10代だったオレにとっては、こういうことを言わずになんとか肯定して、『The 80s』の様なものを聴いて「やっぱ80年代の音楽は素晴らしい」とか言いたいのだけど、そんなウソを付いても何の得にもならない(損もしないかも知れんけど)。だけど唯一といって言いぐらいの功績はやはりヒップホップ。Run DMCLL Cool JPublic Enemy等々、ヒップホップをメジャーに押し上げた連中が今でも活動を続けていて、80年代のヒットチャートなポップス連中がいまや何をやっているのかよくわからないものばかりである事を思えば、80年代にヒップホップがあった事はかなりオレの溜飲を下げている。その80年代のヒップホップ組も、現状は80年代の様な大きな影響力やセールスといったものは苦しいと言わざるを得ないと思うけれど、逆に90年代になってより大きな存在になったのがBeastie Boysだと思う。特に『Check Your Head』、そして『Ill Communication』がリリースされてからはヒップホップという枠を超越した存在として認識されたし、その後も主催するレーベルRoyal Traxもイケイケ状態になり90年代はかなり強い影響力を持っていた。だけど個人的には、その後リリースされた『Hello Nasty』は大して嵌らなかったし、『To the 5 Boroughs』に至っては懐古主義のエレクトロなヒップホップにしか聴こえず、そしてこういう音はBB3(勝手にオレが考えた呼び名)のハイトーンなラップにあっているとは思えなく、ハッキリ言ってツマラナイ作品として認識している。『Licensed to Ill』から20年程経ってしまったという事実。90年代までヒップホップのみならず、ポピュラー音楽の気になる存在で在り続けた事を考えれば、その事自体が凄い事なんだけど。だけど、だからやはり期待していて、『The Mix-Up』という新作のリリース報には今度はやってくれるはずという期待があった。

ボートラ付きの日本盤か、価格の安い輸入盤か考えた末に輸入盤を手にした。というのも、事前の情報でその『The Mix-Up』はインストものである事を知っていたので対訳が読みたくなる事は避けられたという事と、結局ボートラはアルバムには必要の無いものであるという事実をよく噛みしめることが増えた事が影響している。肝心の音は、、、簡単に言えばジャズ・ファンクってところ。特に良くも悪くも無く、中庸。熱心なファン向けの作品である事は間違い無い。オレは熱心という程でも無いので、今のところこれを繰返し聴く理由は見当たらない。これならば『Aglio E Olio』のようにオリジナル・アルバムとしてではなく、アルバム・レングスのサイズであってもミニ・アルバム的な扱いで良かったんじゃないだろうか? 次作への布石かなんかの役割を持っているのかもしれないけれど、とりあえず現状では二度と聴く予定無し。









Beastie Boys 『The Mix-Up』