高柳昌行

ライブではないけれど、ライブ映像を見るという事で、昨夜はボーナス・トラックの様な『高柳昌行ビデオ・コンサート Vol4』に行った。復活した表参道のクリスマス・イルミネーションを横目に、エクスレルムに向かう。

この高柳昌行のビデオ・コンサートはVol2から見ていて、今回で3回目の参加。地下への階段を下りて、受付のお姉さんがちょっと可愛いと思いながら中に入るも、既に前方は席が埋まっていたので、後方に座る事にした(これが正解だった)。

まずはAction Directの映像(『Inanimate Nature』の映像らしい)。今なら考えられないぐらいの機材を操る高柳。ボーっと映像を眺めながら高柳のノイズに浸る。だけど、もともとの映像が昔のビデオのため、プロジェクターの画面は少しボケ気味で、それが高校生の時に学校の視聴覚室で使いまわした裏ビデオを皆で見ていた時を思い出し、ちょっと危ない集団かもしれないと、ふと思う。が、後方からは17インチぐらいのモニターも見れるようになっていて、それは当然画面は小さいけれど鮮明な映像になっていて、結局は主にそのモニターを見ていた。続いて井野信義とのデュオ映像。2曲のスタンダード。そのうち1曲は前回も見たもの。このスタンダードの映像は、ミクシーの高柳のコミュニティでリクエストを貰ったものという事。「You Don't Know What Love Is」は『Reason for Being』というアルバムの映像らしい。休憩を挟んでの2部は、『El Pulso』の映像で、高柳が弟子を従えてのタンゴの演奏。さらに井野とのデュオの演奏、そしてAction Directという構成だった(自信無し)。

個人的に一番気に入ったのは、2部の井野とのデュオ。多分これも『Reason for Being』の映像だと思うけど、ああいうフリーで、エフェクトの類を使用しない演奏と言うのが、今のオレの好み。高柳と言えば、Action DirectだったりNew Direction Unitの印象が強いけれど、シンプルな演奏で音を突き詰めていく様の方が、高柳の最も優れた演奏だと思う。



オレは普段、余りキョロキョロ会場を見回したりするタイプではないし、今回も別にそういう事をしたわけじゃ無いけれど、たまたま大友良英が来ているのを発見。それでさっき大友のブログを見て、彼が最近発売になった『汎音楽論集』を手にしたことによって、今回のビデオ・コンサートに来たであろう事が推測できる。高柳と大友の間柄については、どちらかのファンならばわかっていることだと思うけど、大友は高柳の弟子だった時期があり、それは仲違いによって解消された。その辺の詳しい事はわからないけれど、大友の高柳への言及には慎重なところが伺えるところから、恐らくそれは真実なのだろうと思う。そして今回、大友がこういうところに参加したことが今後の彼の音に、何かしらの影響を与えると思うし、それがどうなるか予測は出来ないけれど、これまでよりもさらに、オレは大友の音に興味深い気持ちになる。




今回は色々告知があって、まず『汎音楽論集』が発売された事。それと、『The Smile I Love』というタイトルで発売されていた音源が、オリジナルの形態の『Flower Girl』として発売。この『Flower Girl』はの2色のジャケがあり、限定と謳われていれば2色とも買ってしまいそうだったけれど、ここは抑えて青のジャケットを物販で購入。俺が買った時点で青は残り1枚になっていたけれど、赤は山積みだった・・・。もちろん、『汎音楽論集』も購入し、少しだけ目を通したけれど、それだけでもオレは少し、高柳というミュージシャンに対して、少し気持ちの変化がある。これはちゃんと読み終わってからここに書く予定。そしてこのビデオ・コンサートというスタイルは今回が最後で、次回からは違った形にする予定らしい。それがどんなものになるか、それによっては、今回がオレにとっては最後のものになる。



しかしクリスマス・イヴの投稿が高柳昌行。こんなにしっくり来る組み合わせもなかなか見当たらない・・・。と、それはともかく、今年は再発ものが多かったせいもあって、何気に高柳イヤーだった。オレも相当高柳の音を聴いた。