Michael Franti & Spearhead

Michael Frantiといえば、あのDisposable Heroes of HiphoprisyのMCだったわけで、Hiphoprisyの切迫感みたいなものがオレは好きだった。多分当時、Public Enemyに変わる存在としてHiphoprisyの音に触れていたと思う。ところがHiphoprisyはあっさりユニットを解散し、その後FrantiはSpearheadを始めるのだけど、このグループの印象は良くなかった。Arrested Developmentのようなソウルフルなヒップホップという印象だったのだけど、そういうものをFrantiに求めていたわけじゃ無いオレは、Spearheadを繰り返し聴くことは無かった。その後2ndが出てもその印象は変わらず、いつのまにかFrantiに期待することはなくなっていた。ところが3年ほど前、まるでフリーソウルのコンピのようなジャケットに惹かれて『Everyone Deserves Music』を久しぶりに購入し、それに思いっきり嵌った。そこにはオーガニックなソウルと同質の音があって、それにFrantiの若干ラップを混ぜ込んだ歌い方が決まっていて、古いようで新しいソウルを感じることが出来た。その『Everyone Deserves Music』(傑作)以来新しいオリジナルアルバムは出ていないけれど、つい最近タワレコで『Live in Sydney』を見つけて購入。この『Live in Sydney』、トールケースに入っているため一見DVDなのだけど、実際には噂のデュアルディスク。これが初めてのデュアルディスクの購入になった。

デュアルディスクというのは、メディアの片面がCDで、その反対の面がDVDという仕様になっている。プレーヤーに乗せる際、再生したい方を上(というか下)向きにして入れる。CD+DVDという2枚組みが1枚のメディアに収まるわけで、個人的には歓迎したい。これを見ていて思ったのだけど、CD+DVDが出来るのならCD+CDも出来るよなあ。そうすれば2枚組みのCDも1枚に収まるわけで、こっちもなんとか商品化して欲しいのだけど。

話は逸れたけれど、CDもDVDも同じ録音なので、とりあえずDVDを見てみた。

ヒューマンビートボックスを携えたバンドは、申し分の無いグルーヴを持っている。そして自らギターを弾きながら歌うFrantiの表情は優く、音楽を楽しむ事を忘れていない。まあ、ステージに観客をあげるあたりはどうも仕込みくさいのだけど、これも演出の一つとして考えれば文句をつけるところじゃ無い。



オレは映像作品を繰返し見るタイプじゃ無いので、このDVDをもう一度見るのは当分先の話になると思うけど、CDの音はiPodに入れてある。