Jackie McLean

ジャズが最も影響力のあった時代と言えば、やはり5〜60年代という事になるのだろう。その時代には伝説的な存在が多い。この間のOrnetteも勿論そうだし、オレの好きなDolphy、Coltrane、言わずもがなのMiles。

この巨星たちに比べれば知名度は落ちるかもしれないけれど、主流派のファン、フリーのファンの両方から愛される存在だったと言えば、Jackie McLeanという名前が頭に浮かぶ。元々バッパーだったMcLeanは、Milesのブルーノートでのリーダーセッションに参加した事からプロとしての活動が始まり、日本では名盤として知名度の高いMal Waldronの『Left Alone』やSonny Clarkの『Cool Struttin'Charles Mingusの『Pithecanthropus Erectus』で知名度を上げた。60年代にはOrnetteの影響を受けフリーな方向に進み、そのOrnetteとの共演アルバム『New and Old Gospel』(Ornetteが他人の録音に参加することは少ない)等を発表。その後は特に大きな話題にならなくても、地道に活動を続け、日本の大西順子の『Hattrick』への参加等で話題を呼んだこともあった。

何故突然こんな事を書いているかと言うと、そのMcLeanが3/31に逝去したというニュースをさっき知ったから。

特に好きなミュージシャンだったわけではないけれど、追悼の意を込めて手持ちのCDを聴こうと思い、タイトルを眺めていたら、最初は一番好きな『One Step Beyond』を聴こうと思ったのに、何故か『Swing, Swang, Swingin'』を手にとってしまった。その『Swing, Swang, Swingin'』を聴きながら、ワンホーンのこのアルバムを選んだことは正解だったと思う。若かりしMcLeanの艶やかなサックスの響きは、気取りの無い伸びやかな音で、余計な事を抜きに響いてくる。