Chris Cunningham

Chris Cunninghamは、音楽PVやCMの製作、そして映画の特殊効果なんかも手がけている映像作家。その彼の製作した音楽PVをいくつか集めた、『Chris Cunningham Best Selection』というDVDには、Aphex Twin / Come to DaddyやPortishead / Only You、Madonna / FrozenやBjork / All is Full of Love等の作品が入っていて、値段の割りに時間が短いと言うネックはあるけど、あまり音楽PV集が好きじゃ無いオレでも楽しめるようなものだった。

そのChris Cunninghamの新作DVD『Rubber Johnny』が7月に発売されてたけど、最近までなかなか手を出せずにいた。それはこのDVDが、6分ぐらいのショート・フィルムが一本入っているだけで\3,000近いという事と、この作品の紹介として、グロテスクという言葉が多々使われていたから。オレはあまりグロテスクな表現に見るべきものを見出せるタイプでは無いので、その表現が行き過ぎたものだと辛いという気持ちもあり、これには手を出せないと思った。とりあえず店頭で『Rubber Johnny』を手にしてみたけど、ジャケットを見ただけで嫌な予感がしたので、購入は控えていた。それでも結局、一度気になったら負けてしまうという、いつものパターンに陥り購入。メシ時を避けて、DVDをトレイにのせた。



『Rubber Johnny』は元々、Aphex Twinのアルバム『Drukqs』の30秒程度のCMを作るという事から始まったプロジェクトらしく、ショート・フィルムのBGMは、そのアルバムから「Afx237 V.7」が使われている。このショート・フィルムの導入部分から曲が入ってくるあたりの映像、どこかで見たことあると思った、のは、そのCMとして使われていた部分で、その映像は今でも、http://www.drukqs.net/で見ることが出来る。ストーリーは、地下室に閉じ込められた車椅子の奇形な子供Johnnyが、自分を楽しませる方法を探す為、音楽にあわせて自分の体を変形させていくというもの。

一体どんな事になってるんだろうと思っていたら、まあ、そんなにヤバイものではなかった。確かにグロテスクな瞬間もあるけど、リズムに合わせて叩きつけてくる映像なので、じっくり見せ付けられるものは少ない。それより、「Afx237 V.7」にあわせて手を動かすJohnny君の姿はどちらかと言えば笑えるもので、結局3回ほど繰り返し見てしまった。ショート・フィルムより、DVDのケースにあたるアート・ブックに収められている写真の方が気持ち悪さは上で、そっちを先に見てしまっていたから、ショート・フィルムの衝撃は和らいだ。そして、ネット上で多々見てしまった本物のヤバイ映像や、グロテスクに変形させられた数々の画像によって、もしかしたらオレの感覚はマヒさせられてしまっているのかもしれない。

追記

ジャケットの画像よりキツイ画像を見つけた。

http://www.rubberjohnny.tv/

一度ご覧になることをお勧めします。