2017/06のライブ観賞 9本

6/5
本田珠也カルテットだか珠theILLだかよくわからんけどソロ廻しがエグくてバラッドはエロいので飽きる時間が無さ過ぎになったので今後は手抜きが必要なバンド。

6/7
昨年ぶりのteneleven@クラシックス。個々の音が立っているのに過不足なく音楽が仕上がるセンスは他では聴けないというか聴いてない。ド真ん中に抽象的だけどそういう弱々しさは無い映像。プログレと関係しつつそれとは違うプログレッシヴとしか形容できないライブ。

6/12
どう聴いても灰野敬二の個性が最前にあるんだけど、良かった頃のチック・コリアを圧縮したようなジョヴァンニ・ディ・ドメニコのエレピと今夜一多様な石橋英子と面倒な連中にも繊細に相手するジョー・タリアとか、まあそういう演奏を聴いたら月曜から『暗くなるまで待って』みたのは正しい事。

6/17
八木美知依独奏は少し久々。1stが二十絃箏で2ndを十七絃箏。オレが色々聴いてるつもりの中でも一番回数が多いのは多分八木美知依なんだけど、そういう目線での今夜の音はわかりやすいアグレッシヴを減らしたアヴァンと知らなかった音と爪が絃を鳴らす音まで含めてとても美しい演奏だった。

6/18
昨夜は断念したUGXのイベントの2日目に足向け 1stはBorisで流石の圧倒的な音圧なんだけど耳がヤられないのはノイジーがノイズになる前にコントロールされているからだと思う。やっぱり特別なバンドの一つ
2ndが目当てのdipだけどBorisの後という不都合は関係無し。Borisよりえげつないヤマジのギターと鼓舞するナカニシのビート、それを纏めてグルーヴさせるナガタッチのベース。セットリストはオレには優しくなかったけど、今のdipなら知らない曲だけのライブでも足を向ける
イベントの大トリの血と雫は耽美とフォーキーが混ざっているバンドで本来はあの高橋幾郎がドラムなんだけど今回は不参加。なので色んな意味で特別な編成だったけどそうなっても独特の世界観はそのまま

6/21
1stのJulie Rousseは卓ノイズという感じで見た目の可愛らしさとは違って結構轟音。マイクを膝にこすりつけるとかちょっと変わった技も有り。2ndの町田良夫+キャル・ライアルはアンビエントとまでは言わないけど感触はそんなヤツでこういう音を眠る時に聴きたい
Kim Myhrはソロ演奏。今までの来日ではアコギだったのが今回はエレキで、でも奏法いつものあの只管カッティングというちょっと他では無いやつなんだけど、エフェクトを介した音は抑えめでピックが弦を鳴らす音もミュートの様に聴こえてくる。この手法ならニカの方面にもアピール出来るはず

6/23
Arto Lindsayのバンドスタイルは音楽全部のバランスが惚れ惚れするぐらい良くて、LindsayのあのギターとMelvin Gibbsの上から下まで動き回るベースの組合せはベストなやつ。そこにキーボードとドラムとパーカッションという肉付きが楽器のバランスも完璧にしていた

6/29
梵人譚。曲の中で坂田明のアルトとジョバンニ・ヂィ・ドメニコの鍵盤と山本達久のビートがアグレッシヴに自己主張していくヤバさをジム・オルークのアコベがジャズに押しとどめていてジャズってここまでカッコ良かったっけ?ってなりつつ、今日の日付に坂田明のアルトにドルフィーと重なる音を聴いた

6/30
1stの原田仁&スッパマイクロパンチョップShogo Haraguchiは『Tokyo Noise Theater』のタイトルに相応しい音で、でもノイズがアヴァンとして絡んでいく様なスタイル。目を離してると誰がどの音を出しているかわからなくなるというのは難点だけどそれが面白い
2ndのMia Zabelka&目秦寛史はZabelkaがヴァイオリンをギター弾きするという初っ端ですぐに参った気分になった... あれ面白いし音カッコいいし凄いスキル。ジム・オルークとセッションとかあってもいいというか次回はそれ考えて欲しい
トリは巻上公一Hair Stylisticsで、オレは中原昌也をそんなに好んでないというのが本音なんだけど、巻上の器用さと中原の隙間がありながらサンプリングを上手く使ったやり方はノイズじゃなく唐突に優れた即興音楽だった