2016/9のライブ観賞 17本

9/1
アート・リンゼイバッファロー・ドーター。 今夜はバンドセット、スゲーかっこいいヤツ。ドーターならではのテクノを通過した音とリンゼイのギターがかみ合わせ良いし、各々の曲とかDNAなタテノリとかリンゼイの弾き語りとか多様で、まあとにかく今夜の世界一だったはず。

9/2
アート・リンゼイジム・オルーク。 耳馴染みの曲がオルークのギターで歌伴されたのだけど、そのオルークのギターがとにかく上手くてそういう姿はオレにはレアだったのだけど、そこにリンゼイの個性的なギターとオルークが混ざることでヤバいアヴァンの展開が飛び込んでくるともうどうしようもない。

9/3
出来立てほやほやのWWWXに足向け。 はちみつぱいが先。実はあまり期待してなかったのだけど、CDで気づくネタ元に加えてライブではデッド的な遅いジャムの様な展開。面子の多さで音が厚くなるけど薄い混沌でカッコよかった...。ワンマンでも聴いてみたい。
ジム・オルークはいつもの面子にジョー・タリアを加えた命拾いという適当な名付けのバンド。歌モノの演奏で、草月の時も思ったけどオルークの歌が上手い。し、隙間も感じられるアンサンブルにアメリカーナの先端の様な気がした。アンコールは『Bad Timing』のM1で、壮絶な美意識を聴いた。

9/6
クリスチャン・フェネス & ジム・オルーク。 毎度ながら不自由な音を器用にコントロールして、2セットの全部が起伏しか無い様な展開。例えば明日もあるとしても明日は行かないんだけど、これを聴かないという選択肢はオレには無い。

9/7
18時半はさすがに間に合わず、前座は全然見ずにエルヴィス・コステロ。 ギターかピアノで弾き語りするのだけど、まあそんなシンプルでホントに持つのか?というのは実は2011年に既に経験済みだったので、それの再体験を狙っての足向け。
MC挟みつつの和やかな雰囲気も演奏になると緊張感。と、圧倒的な歌唱力。音楽は古いけど、音は今鳴ってる音という当たり前。前座が加わった展開では音数が増える事で緊張感が減るという安堵と残念の両方。 今夜のコステロはロックの領域じゃないけれど、エンターテインメントの力が半端なかった。

9/9
狂ってましたw 長谷川洋&沼田順のNMASTROという無理やりなユニット名に+植村昌弘。頭からうるさいw ギターを弾く長谷川洋を初めて見たのでなんかベテラン風なダウト社長と聴き分けようとか思ったけど面倒なのでやめたw 植村のスクエアにスゲー重いビートと絡まって超うるさいw
メインでレコ発の広瀬淳二+望月芳哲+IRONFIST辰嶋のHMT。1stのうるさ過ぎwから序盤は音圧では引け目を感じたけれど、辰嶋のアイアンフィストぶりに鼻血が出る思いしつつ望月の意味不明な運指にヘラヘラしつつビービーとヒットする広瀬のサックスにニヤニヤしてたら完全に耳が壊れたw
最後に全員揃ってかますのだけど、もう耳壊れてたのでどうでもいい気分になったw 凶暴なオッサンたちの宴@秋葉原だったw 普段よりw多めですw
なんか、アート・リンゼイ3日間見て、はちみつぱいジム・オルークの見て、フェネス&オルーク見て、コステロ見てって流れで今夜だったのだけど、この流れのせいでオレは音楽というものがよくわからなくなったけどまあいいやw

9/11
ロジャー・ターナー&齋藤徹&喜多直毅。 去年2回見たターナーはパワーヒッターだったけど、今日は齋藤のコントラバスと喜多のヴァイオリンがクラシックスに嵌る音色を駆使してターナーの繊細を引き出した演奏。あんな風にドラムを叩ける人は他に知らん。美しいセッション(キモイ表現w)だった。

9/14
1stはスルーで2ndのJim O'Rourkeから。 鍵盤で作り込まれたエレクトロニカ。コラージュの要素も入るし展開が多々で先週のFenneszとのデュオよりも引き込みが強かった。で、PITAも聴いてから思ったんだけど、Fenn O'Bergってオルークに主導権があると思う。
メインのPITAはノイジーだけどトランシーも濃くてライブ感の強いセット。オルークと違ってツマミまくる演奏がニカの人感強め。終盤の締めにかかる感じは時間を考えたのかちょいグダグダだったけどそれもライブ。

9/16
縁あって若くて上昇志向のあるバンドの演奏を鑑賞。演奏力は高くてちょっと驚くのだけど、更に客層が普段見る人達とは違って若くて健やかな感じにオッサンは浮きまくるので2バンドで退場したw たまにはこういう機会がないと視野が狭くなるなー。

9/17
有頂天が先。 序盤は正直イマイチ。「こんなもんか」が本音。けどMC挟んでからの中盤からは80sノリのエレポップがグルーヴしだして気分があがった。まあ元々好きだったわけじゃないけどインディー御三家なので一度見ておくというのは必要だった。
してラフィン。 ほぼずっと現役してきたパンクバンドなので初っ端からかませるし、有頂天の客にはわからんような時期の曲で押しつつ、それでも「Broken Generation」辺りからは全体が熱気。オレはもうヘロヘロ。まあいつもの事だけど、ラフィンのライブは必ずヘロヘロになる...。

9/20
まあまあ悪天候の中をスーデラ。 1stはECMウィンダム・ヒルを行き来する様なFood単独の演奏の途中から巻上公一テルミンが加わる事でバランスが出来ていた。
2ndはジム・オルーク石橋英子のデュオで始まるのだけどこれが激ヤバ。ミニマルとその上の音にひたすら惹きつけられた。今まで聴いた卓オルークで一番ヤられた。フェネスとの演奏より今夜の演奏の方が新しい感覚。その後は演奏を切ってFoodが加わり、更に巻上が主にラッパを扱う演奏で加わったのだけど、飄々として押しつけがましさのないインプロ。ここら辺ではトーマス・ストレーネンのドラムが印象深い。先端の音だと思った。でも2nd全体では石橋英子のフルートが抜群だった。

9/21
今年2度目のマージナル・コンソート。3時間ぶっ続けのインプロ・ユニットというかなり高めのハードルだけど毎度不思議と「あ、終わった」ぐらいに感じる。ま、DIYな色んな音を聴いてしまったら「また次回も」という気分になる。

9/23
秋吉敏子ピアノソロという最近使い古された言い方を使えば日本ジャズのレジェンドの演奏。これが最初で最後のつもりで足向けしてジャズに参った。もうお前ら黙れと色んなところで言いたい。BNTのブラッド・メルドーに行くとか言ってはしゃいでいる知人には理解できないだろうと思うので言わない。モンクを「洗練された音」と言った秋吉敏子さん。オレが常に思ってた事があの人の口から出た事になんて言えばいいかわからん。し、ビ・バップの2つしかない名曲の1つバド・パウエルの「Un Poco Loco」というライブで聴ける事は無いと思ってた曲を演奏した秋吉さんにオレはマジで参った。音楽には色んな要素があって秋吉敏子さん自身が作った原爆絡みの曲の事とかが語られて、「音楽に政治を持ち込むな」みたいな事を言ったり考えたりしているダサい甘ちゃん連中のヘボさが頭をよぎったりした。何がジャズか?何がポピュラー音楽か?という言葉を聴いた気分。なのでお前ら黙れ。

9/27
ツァイトクラッツァー&灰野敬二シュトックハウゼン。まあまあ嫌な感じのプログラムだけどw、これをスルーというのはオレにはちょっと無理。
シュトックハウゼンの曲は頭にないので個々の音を拾い聴き。パーカッションのスキルとアルトサックスとホルンの特殊奏法が聴いた事の無いヤツで、これを聴いてしまうと色々と思う事が出てくる。けど、今夜は2ndの灰野敬二の中性的なヴォーカルが耳にこびりついた。あの声は聴き惚れるヤツだった。

9/28
1年ぶりにカフカ鼾に足向け。するとジム・オルークがジョー・モリスとのセッションぶりに見るアコベというレア。なのでなんかますますネcksっぽい感じで、でもなんか聴いた事の無いようなジャズになっている印象。また1年後に足向けると別の音楽を聴く事になりそうな予感。

9/29
ツァイトクラッツァーによるジェームズ・テニーの楽曲演奏に足向け。 1stの最初がドラの独奏で、微音から強面まで上がって戻るこの演奏だけでも今夜は満足。1stのその後と2ndはドローン気味を含むミニマルな演奏。楽器がハーモニーしないアンサンブルしてて妙な印象だけど余計印象に残る。
3rdはオレのイメージしてたジェームズ・テニーらしい小さめの音の演奏。緊張感はフルになるのだけど9人の奏者が色んな音がをつなげるので飽きる感じにはならなくて、なんなら途中で帰ろうと思ってたけど結局最後までニヤニヤしながら聴いた。
今夜のは経済的に困窮してる時には絶対に聴かない演奏なので、一応なんとかなってる現状で足を運べてよかった。初日よりも今夜の方がヤバかった。今思うとやっぱ初日はアヴァン。今夜の演奏の方がツァイトクラッツァーのヤバさが出ていた。はず。

9/30
ツァイトクラッツァーによるテーリ・テムリッツの楽曲演奏に足向け。 今夜はフリージャズ的に色々入り込んで、1stは四つ打ちな展開もあったりして多様。2ndは打楽器のブラシとアコベの刻みと薄めに入ってくるピアノとかそれ以外とか、ジャジーなフリーインプロの感触。結局今夜もヤバかった。
元々ツァイトクラッツァーにそんなに興味はなくて初日だけのつもりだったのだけど、それ聴いて残りも聴きたくなった。で、昨夜と今夜も足運んで、結果、初日と昨夜の感想が変わりつつある。
ちなみに最後のトークのセットは不参加。ま、オレがそんな話聞いてもってのと、ライブ鑑賞4連荘になってしまったので結構疲れがある...。