2016/2のライブ観賞 8本

2/3
坂田明とヨハン・バットリングとポール・ニルセン・ラヴのARASHIは坂田さんの唄っていうかヴォーカリゼーションというか、それでの変化球はあるけど徹頭徹尾フリージャズ。飽きるんじゃ?という気分だったけどそうならんかった。
坂田さんはアルトのスピードもいいけどクラリネットの音色がヤバい。バットリングはアコベ奏者なのにアルコに執着してて個人的な好みとは違うのだけど、あの音は面白い。PNLのドラミングはあの押し切るヤツから脱却したスキルになってて、個性的と言ってもいいぐらいのビート。
あんなシンプルな演奏がこんなに面白いのは演奏力が極めて高いという事だと思う。そういや、インプロの中からの「Lonely Woman」は反則スレスレってぐらいな感じだった...。

2/5
このイベントは今回が初めての観賞だったのだけど、アジアのミュージシャンという事からイメージしたオルタナじゃなくて、アヴァンな音楽。もう少し各々の属性が持つ音が聴けると、イベントのタイトルに含まれる地域性の意味が出てくる気がする。

2/6
AtomicのウリだったドラムがPNLから別の奏者に代わったというのは正直言って不安要素だったのだけど、若いハンス・フルブックモというドラマーの実直な音とこれまでに無かった跳ねる感覚は新生Atomicのウリの一つになるかもしらん。
Atomicはフリージャズだけどコンポジションの中のフリーなので、ジャズという枠にはキッチリ収まる。けど、そこの濃度みたいなのが他とは違ってて、フラテンのアコベも去年今年聴いた中で一番のヤツだった。
個人的に思いっきり好みなピアノを弾くホーヴァル・ヴィークのセンスの塊りな音の出し入れに参りつつ、このバンドの華はラッパのマグナス・ブロー。ブローの吹く音はドルフィーを思うしブッカー・リトルの様な音色も併せ持つ。オレの知るライブのラッパで最も優れた奏者だと思う。
こういうジャズを女子ジャズの権威の島田奈央子さんに聴いてもらって集客に一役買って欲しいw

2/12
全開とまでは言わなくても聴きたいものを聴かせてくれたYTSと、エスニックとかラテンの感じを取り込みつつのプラマイゼロ。どちらもロックなグルーヴの即興になってて、この感じをスーデラで聴けるのは珍しい。最後の揃い踏みが意外に嵌る感じだったのが、なんとなく今後もこういうのが続く期待。
今夜一番ヤバかったのは須藤俊明の重低音ベース。こういう音で惹かれるのってナスノミツルぐらいだったんだけど、今夜の須藤の音はそれに比類。専業ベーシストじゃないのにあれってヤバスギルスキル、Part IVぐらい。

2/18
自分の人生の中で畑中葉子のライブを見るということを全く想像した事が無かった…。
山本精一のエレキでの弾き語りは古い歌謡曲ばかりで自作はやらんかったのだけど、それが良くて山本が歌うというのをジックリと聴いた気分。
JOJO広重は獰猛なノイズギターでの弾き語りと言うかなんてーか…。これはこの人しか出来ない芸当。耳ヤバい…。
ヒックスヴィルのギターとかYUKIや宇多田のサポートしたキーボードとかウルフルズのドラムという超豪華なバックアップのついた畑中葉子の歌を聴きながら、歌謡曲って楽曲や演奏じゃなくて歌い方でジャンルされるなあとかマジメに考えたりしてた。
のを、JOJO広重山本精一が加わった事でブチ壊してて笑ったw ヤバかったw 色んなのが力技で後ろから前から合体してたw

2/20
悩んだ末にグッドマン。で、辿り着いたら丁度泯比沙子+Nasca Car。泯という人を全く知らなかったけど、この組合せ相性良くてカッコいい! いい歳のロリ感な泯と結構パンクな中屋のヴォーカルの対比も良いし、バンドがオルタナなインダストリアルしててレベル高い。録音した方がいいと思う。
若い頃はキワモノだろ?って全く気にかけてなかった殺害塩化ビニール。それで今更な感じでQP-CRAZYを見たのだけど、スゲー真っ当なドコアしててカッコよかった…。エンタメの演出もあったけど、音はストレートで強靭。やっぱ接しないと何もわからんな。
「レベル高い」って言い方ダサいな…って思ってるんだけど、つうかなんか偉そうなので嫌なんだけど書き直しメンドーなのでそのままで。

2/27
ちょい久々の足向けだけど、いつものようにDJ YABBYのリディムの上にこだま和文はラッパと親指ピアノと声をのせる。言葉もラッパも朴訥で饒舌。この音楽はポエトリーリーディングに見える。言葉にはリベラル視線の社会的な事が含まれていて、それは現状に対しての大人の責任としてだと思う。

2/29
エレキギター&歌とドラム&ちょい歌のドラムという2人組のヒミツノコウドウというバンドが今夜のミチロウ祭りの対バン。なんか歌い方が少しphewっぽいし、ビートはSOBバリの時もあって結構良いツボ圧してきやがったw
で、約2年ぶりの遠藤ミチロウ中村達也のTOUCH-ME! 選曲がちょい珍しい感じであまり頭に入ってない曲も多かったけれどこの2人なのでどんなでも関係無い。 でも一つだけ文句があって、このバンドはスタンディングのハコで見たい。ま、オレは今日も立見だったけど...。