2013/11のライブ観賞

11/1
dip開演前のBGMはエレ期Miles!
Lou Reed逝去後に初めて見るライブがdip。佐藤研二がチェロでサポートした「Flow That Crown」には「Heroin」が挿入され、アンコールでは「I'm Waiting for the Man」やるし「13階段への荒野」を「Walk on the Wild Side」と紹介するし。それと、なんか今日のヤマジのギターは妙にLou Reedぽかった。ヤバい時のLou Reedみたいだったし「I'm Waiting for the Man」での中西のドラムが、多分こんな音は持ってないモーさんがモノ凄くタイトにデカイ音で叩いている様な音に聴こえたしナガタッチのベース音ってこんなにブッといんだなあとか、音自体がよかった。
実はまだ4回目のdipのライブへの足向けだったのだけど、ここで予想もしてなかった「ライラックアコーディオン」で演奏されて、好きな曲ってのは難しいのだけどなんかオレにはdipのイメージは「ライラックアコーディオン」なんだよな。
で、当然の様に物販で『HOWL OUT』とヤマソロを買ってきた。

11/3
リキッドルームのEMAFの初日に足向け。ってても、トリの2セットのみ。オッサンにはこれぐらいしか体が持たんのです。
若い頃に聴いてたμ-Ziq。を、今頃になってライブに接するとか、まあなんだけど、もう大分聴いてなかったので音のイメージもほぼなかったけど、踊らせるニカのスキルが入りまくり。多分ベースになってるのはムンベーで、それを色んな手法で再構築してる。
露骨にヒップホップな手法からムンベーするとことか、その2つのムンベーのルーツはヒップホップでもある事を見せてくれた。少しのアブストラクト、や、上モノはデトロイトしてて、ダンス音楽の濃厚さが万遍。
大トリのDiamond VersionはAlva Notoのユニットで、元々のラスターノートンなイメージから変化した踊らせる音。結構シンプルな手法なのだけど、まあラスターノートンらしい真っ直ぐが心地良いし、映像も含めたステージの魅せ方も印象。
更にオプトロンの伊東篤宏が加わって、音だけじゃなくても見た目の派手さも増幅させる。 アンコール気味な曲で「YOU LIE」「WE DIE」と、メッセージ。勿論原発絡みへのメッセージ。ここのシンプルさ、原発に対するシンプルなこの言葉は、さすがドイツ人だと思った。
って、終わったと思って気を抜いてタバコかましに行くと、ホントのアンコールがあってあわててフロアーに戻るという面倒も、まあ、良いw

11/4
EMAFの2日目も足向け。けど、色々でFenneszのセットのみの観賞。まあとにかく久々にFenneszのソロが見たかった。ので、このセットだけでも十分。
フォークトロニカの代名詞みたいな人だけど、ニカというだけじゃなくてノイズもあてはまる。のだけど、もうとにかく美しい音楽。
その前のセットを少し見たのだけど、そこの踊らせるところから殆どの客が突っ立ったままFenneszの音を聴いている感じの落差。
Fenneszは再来週スーデラでFoodとの組合せでライブがあるけど、結構間がある。その間日本に滞在するんだろうか? ライブあったっけ? それとも中国とか韓国とか周ったりするのだろうか?

11/8
今夜は渋谷WWWに足向け。 最初のセットはEP-4 unit3に伊東篤宏が加わったセット。ノイジーでミニマルな部分もあるのだけど、音楽は変化し続けて、プログレの様な印象。勿論所謂プログレとは全く異なる音像なんだけど、これがそれだとしたら、強烈に現代的なそれ、と、思う。
何年かぶりのの池田亮司。新作のお披露目だったのだけど、池田亮司の音ってこんなに能動的だったか?ってぐらい、直線なリズムがど真ん中。音圧っての、まさにこのセット。凄すぎ…。池田亮司ってこういう音楽のイメージじゃなかった。確かに前作とか、そういう雰囲気はあったけど。
ここまでになるか、と。踊る場でこの音が来ても外れないはず。リズムは込入ってはいない。だから不可解を感じないしストレートなんだけど池田亮司という孤高のセンスが組み上げた事で、異物にも聴こえたりする。

11/9
今夜は吉祥寺のGBに足向け。Rock'n'Roll Gypsiesと横道坊主カップリング。
最初が横道。名前は知ってたし、続けてきたバンドなので期待。してたのだけど、序盤は困ったなあ、と。40過ぎたオッサンが、初めて聴いくにはちょっとキツイ。と思ってたのだけど、新しめらしい「春」とかいう曲がグッと来た。今の気持ちで作った曲は、キチンと届く。って事か。
してRRG。まあ、オレにとっては、ずっと付き合うつもりのバンド。ロックだけど横にくるグルーヴがたまらん。のに、「Old Guitar」という泣かせがきて、更に「Hangfire」と続く。オレは「Hangfire」をライブで初めて聴いた気がする。たまらん…。
あー、これが大人のロック。大人のロックはこんなにもカッコいいんだよ。

11/15
えっ????????? fennesz来日中止って!!!!!!!!!
六本木に向かう大江戸線の中でフェネスが来日できないと知った時は恥ずかしながら「え?」とか、声に出した。まあ、仕方が無い。
今夜のスーデラ、1stはオルークと石橋英子と山本達久のカフカ鼾。このトリオはドローン気味を持ち込むというイメージなのだけど今夜はちょっと違ってて、更に抑え目な音圧とか、スピードを落した感じだったりとか、イメージと異なってたけれど、そういう手法も面白い。耳を引く。
2ndがFoodに巻上公一とフェネスのトラでオルークが加わった編成。昨年見たFoodはそんなに印象が残ってないのだけど、すみません、今夜の演奏は凄かったです。一応なECM系らしい感じありつつ、ジャズの範疇とは全然違うインプロ。あーとにかく、ドラムのセンスがたまらん。
し、個性の強い巻上の音も抑え目なのか、コミカルにはならず、荘厳な音に聴こえるし、出番を抑え目なオルークだけど、アメリカーなギターとか、なんかフェネスっぽい音色を持ち込んだりとか、一見抑え目な音楽かも知らんけど、芳醇すぎてボーっとなった。
別に必要としているわけじゃないけれど、ジャズを感じてないところでFoodのサックスがいい感じで音を差し込む。Foodはサックスとドラムのコンビだけど、どっちも手元にエレクトロニクスがあって、それの扱いがそれまでのジャズとは違うと思う。

11/17
京都賞とかいうやつのおかげで、セシル・テイラー田中泯のデュオ。
草月ホールという、なんかいけばなの流派の所有するとこでライブを鑑賞。
現在84歳のセシル・テイラー。2007年に一度ライブを見たのだけど、正直あまり楽しめなかった。今回はそれから5年半経過しているので、期待というより、フリー・ジャズの象徴の数少ない機会を逃したくないという気分。
1時間ぐらい?とか、30分ぐらいでもいいか。と、思ってたのだけど、1時間ぐらいのを2セット。84歳で他国で、こんなにやるんか?ってなもん。若い頃の録音の様な激は続かないけど、1stで時折攻撃的なそれが聴けたし、2ndのゆったりとした展開は音楽の幅だと思う。
泯さんの不思議な世界観がピアノだけの音に表情をつけていて、表現者ってこういう事なんだな、と。勝手に納得。まあ違うかも知らんけど。しかしあの肉体、70歳近い人のものじゃないな。なんかこっちが恥ずかしい気分。
異空間のライブだった。けど残念はホール・スタッフ。オレは扉の近くに座っていたのだけど、ピアノの音しかない空間なので、隣の人の唾を飲み込む音すら聴こえる。のに、扉のとこに居たスタッフが1分と雑音を出さない状態にならん。態度悪すぎ。音楽の邪魔。

11/18
昨夜はスーデラで山内桂のライブ演奏と映像作品を堪能。しっかしホント良い音だったなあ。アルコールと音でかなり酔っ払いになったw 勢いで山内さんに宛名入りのサインまで書いて貰うという暴挙w

11/19
スーデラ連チャン。今夜はオルケスタ・ナッジ・ナッジ。もう何度ONNを見ているのかわからんけど、今夜のは今までで最上じゃないかな? 音の大きさと多彩とグルーヴ、凄かった!

11/20
今夜もスーデラ。三連荘。1stにTADZIOという、女の子2人組。ギター・ヴォーカル&ドラム。ノイジーなギターがかなり大きめの音にセッティングされていて、テンポ良く演奏をつなげる。ちょっとNirvanaの色が濃いか?
メインの2ndはノルウェーのHedvig Mollestad Trio。こっちはギターとベースが女性でドラムが男性というトリオ。インストのロック。とにかくまず上手い。けど、1stの音の大きさの後だったので、序盤は喰い足りない感じがあった。
けど、中盤から終盤の畳掛けがカッコいい。なんとかロックというのを全部持っていて、そこにジャズ的なのが時々入り込む。まあ、日本では知名度ゼロに近いバンドだと思うけど、聴いたら惚れる。茶目っ気のあるステージングも楽しかった。

11/21
スーデラ四連チャン。2時間半オーバーの不失者。ストーナーロックか?ドゥームメタルか?ってなのもあれば、歪で抽象的もある。ノイジーも有るけれどノイズじゃないし、緻密。
灰野敬二が楽器をギターだけの扱いに変わった事で、不失者は確実にロックと言えるようになったと思う。メタル系フェスとか面白いかも…。

11/22
スーデラ5連荘…。 メインは2ndだけど、個人的には1stの秋山徹次の方に強く引かれての足向け。その秋山、今夜は今までに聴いたソロ演奏のどれよりも多用だったと思う。アヴァンなブギからFenneszを思わせるようなメランコリック。そしてあのドローン。ヤバスギた。
2ndは石橋英子&もう死んだ人たち。何度か見ているけれど実はいつもなんとなくの感想だった。今夜は大体ハッキリ。一見ポップな手触りだけど、実は尖ったところもあって、これはやっぱりロックだな。チェンバーロック。ボーっと聴くとそうやって聴けるけど、細部を狙うと表層と違う。

11/23
スーデラ6連荘! 今夜はシナロケ。ってても、オレは元々「レモンティー」ぐらいしか知らんかった。けどスーデラというハコで日本のロックの原点の一つ、しかももしかしたらこんなに続けているバンドって唯一じゃ?、ってことで、ベスト盤などで予習しての足向け。
よりによって35周年という大事なライブ。今夜様々な理由でスーデラに足向けできなかったシナロケのファンの人達に申し訳無いとか思う。が、音楽は単純に楽しむ。で、楽しいライブだった。初めてだけど、予習のおかげでわかる曲が多かった。
ロックってやっぱりこう、感情の部分で演奏してるよなあ。とか、思う。そういうロックだった。シーナ&ロケッツ、35周年おめでとうございます。5年後も是非スーデラを選んでくださいw
しっかし、一昨日は不失者、昨夜は秋山徹次がヤバいのかましたハコでシナロケ。なんかね、もうねこれ、ニヤニヤニヤニヤしかないw

11/24
元々はRovoに行くつもりだったけど、最近加入したMusic UnlimitedにEsplendor Geométricoがあって、試してみたらカッコいい。なんかノイバウテンみたいなのをイメージしてたけど、違った。このビートは揺らす。
って事で、スーデラ7連荘…。EG&非常階段でEG階段。登りやすい階段には笑った。上げるとこの音楽の欲しいの全部入り。テクノの様なリズム、階段のノイズ、パフォーマンス含みのヴォーカル。どれも思いっきりかましている。これこそエンタメだな、と、いうヤツだった。
よく考えたら今夜でライブ観賞8連荘だったかw まあこれで打ち止めで、12月までは今のとこ予定無いけれど、12月はまた色々あるな。しかし、音楽のライブに接している間は人生は楽しいと、素直に思う。