是巨人 with リシャール・ピナス

この前SDLXで見たRichard Pinhasが、今夜はピットイン。しかも是巨人とのセッション。個人的には元々、こっちの方が先に予約していて、まあそれなので、ピットインでガッツリPinhasの演奏する姿もチェックしようと、考えていた。
して今夜までにPinhasがどういう経歴の持ち主か?を、あえて調べなかった。まあ、元々プログレな人ってのは大体気づいていたのだけど、しかもエルドンとかいうバンドのメンバーだろうってのもわかってたのだけど、それだけで別にいいや。と。
1stの最初は是巨人で1曲。あー、やっぱこのバンドカッコいい。オレはプログレが苦手だけど、そのオレの苦手なところが全部剥ぎ取られて出来上がったような是巨人プログレ。このままこのトリオで演奏が続いても嬉しいのだけど、そんなわけもなく、Pinhasが加わる。やるのは即興。なのだけど、お互いの語彙がきちんと噛み合っているのでスコアがあるかのように聴こえる。椅子に座ってのPinhasの演奏。エフェクトとか色んなものがトランクケースの様にパッケージされている卓モノでギターの音を変化させる。ノイジー気味だけど、ノイズではない。その中を鬼怒無月のギターが音量とは違うところでフレーズをかます。ベースのナスノミツルは重低音をキレキレのフレーズでグルーヴさせて、吉田達也もガツガツと叩きまくる。なんかモノ凄い音像。
2ndはPinhasと鬼怒のデュオ状態から始まる。奏者が限られているので、次はいつ聴けるかわからないPinhasがやっている事を意識的に拾う。んー、この人の音楽の作り方は、やっぱフォークトロニカ的。30秒ほどセットされているらしいディレイは、リアルタイムなサンプリングのループと言えるのだけど、そのループがどこかマイナーなメランコリック。あーやっぱ、SDLXで聴いたあの音はPinhasのやり方だったんだな。と、納得。していると、吉田とナスノが加わって4人の演奏。
1stも凄かったのだけど、2ndはそれ、通り越して、エゲつないとすら思う。言ってみればプログレな面子のセッション。けど、この中で最もプログレっぽいのは鬼怒のギター。ああ多分、あえてそういうのを弾いていたとおもうのだけど、KCとYesの良いとこ取りみたいなギターを弾きまくり、時々エスニックな色づけ。Pinhasと鬼怒が音像つくりまくりの中、ナスノは一見シンプルなクラウトっぽいのをかまし続けるし、吉田のドラミングは相変わらずの変化しまくる千手観音。こんなのが終始しているのを聴いていると、気分までヤバくなる。して本編の最後はエルドンの曲で、なんでも30年ぶりとか。これがやっぱスコアされた曲の良さでキメまくりなフレーズと、吉田向きな転調とか、で、圧倒。
で、当然アンコールの要求があるのだけど、吉田達也だけ出てきて、Pinhasがギターの絃切っているし、あれで終わったほうがいい感じなのでここで終わりたい。と。が、それでも聴きたいならあそこ(楽屋)に交渉してくれと言って出て行ったので、アンコール要求は止まらず・・・。まあオレとしては十分ではあったけど、この人ら、人が好いのか、結局アンコールが成立。それでもPinhasは絃の張替えの為、まずは是巨人で1曲。本編後に聴く是巨人は、あの圧倒な音像ではないのだけど、それでもやっぱカッコよくて、ヘラヘラする。と、Pinhasが戻ってきて、最後のセッション。んー、これは、今夜のこれは、かなりヤバいかった。これはなんだろうな、なんか、プログレな客層だったのだけど、エレクトロニカとかノイズとかアヴァンとか、そういうのを好む層も思いっきり嵌れる音だったはず。んー、Pinhas絡みのところ、これから調べて聴いてみようかな・・・。