『序破急』リリース・パーティー

Gaspar Clausというチェリストについては、全く予備知識なしだった。あーいや、一応スーパーデラックスのスケジュールのとこに書いてあるのは目を通している。そういう軽い認識だけど、何てっても面子が・・・という事での足向け。
1stはGaspar ClausとJim O'Rourkeのデュオ。実は昨年のある時から、O'Rourkeへの興味がかなり減った。それまではO'Rourkeの名前を見つけてはなるべく足を向けていたのだけど、まあ、ある理由でもうそろそろいいかって気分になってた。あー、少し言うと、O'Rourkeのギターに興味が無くなっていった。けど、今夜はO'Rourkeはギターではなく、手元で扱う色々なエレクトロニクス。Clausのちょっと電化していると思われるチェロの響きとO'Rourkeの音は、簡単に言えばサウンドスケープなのだけど、ある種の起伏があって、耳がそこに勝手についていく。これの主導権はO'Rourkeにあったと思うのだけど、いつもの相手じゃないところでのO'Rourkeの音は、やっぱり面白かった。んー、ギターじゃないO'Rourkeの方が面白い。
2ndは1stの2人に加えてピアノの石橋英子、薩摩琵琶の西原鶴真、サイン波のSachiko M、ギターと歌声の友川カズキ、ギターとヴォーカリゼーションの灰野敬二、和太鼓のレナード衛藤、サックスの梅津和時。この面子でどうするのか?と思っていたら、それぞれを端的にするやり方。全体でうねるという印象は全く無い。実はビックリなぐらい客足の多かった今夜なので殆ど演奏する姿を見ていないのだけど、それぞれの音が耳に入ってきている。あー、いや、実は石橋英子の音は拾ってないか。それだけは気づけなかったのだけど、それ以外はそれぞれがハッキリと耳に届いた。これだけの面子を揃えてガーっとした混沌を持ち込まなかったClausのセンス、興味深いというか、83年生まれという若さでこれをやれてしまうのはちょっとヤバい。ってことで、物販で『序破急』を購入。今夜の面子に加えて大友良英坂本龍一も名を連ねている。ライブ後に、更にCDもちょっとこれは・・・と思わせるっての、珍しい。