阿部芙蓉美ワンマンライブ LIQUIDROOMの真ん中で

昨日タワレコに向かった理由は阿部芙蓉美の『沈黙の恋人』を購入する為、だった。昨年末の大友良英の4daysで阿部芙蓉美がフィーチャーされた日があったのだけど、平日の昼の部で行けずにイラっとした。その時に、「ならば阿部芙蓉美の単独を見に行ってやる」と、決めた。して今夜のリキッドルーム。『沈黙の恋人』はライブの物販で買えばいいと思っていたのだけど、やっぱ少しでも曲を頭に入れておいたほうがいいかと思い直し、ギリギリ前日に購入に至った。してその『沈黙の恋人』は、まあ、「ここでこのギターソロ必要?」とか思う様なところもあって、ちょっと「なんかなー」と、思った。それでも4回ほど通して聴いて、LRに向かう途中も再度聴いていたのだけど、その時に気づいた。このアルバムはスピーカーで聴くよりも、カナルで聴く事で阿部芙蓉美の声が横で歌っているかのように入り込む。その声に惹かれることでインストへの割り当てが減って、一気にお気に入りのアルバムになってしまった。
LRの客席のとこの真ん中にステージ。その周りに指定席がある。ステージにも席がある。が、オレは立見。まあ、座って聴くのがお似合いだと思うのだけど、どうしようか?と考えているうちに指定席の選択肢は消えていて、考える必要がなくなっていた。
阿部芙蓉美以外の演奏者は時々ステージから外れることもある。つーか初っ端辺りはキーボードとドラムの2人が加わっただけで、そこにエレベが加わってドラムが抜けて、で、ドラムが戻ってエレキが加わって、って感じだったか・・・。まあ、何曲か得て、演奏陣が揃うのだけど、またエレキが抜けたりとか、色々。『沈黙の恋人』を中心に『ブルーズ』、他にもミニアルバムみたいなのがいくつかあったはずなので、知ってる曲と知らない、或いは耳が覚えていない曲があるのだけど、一応2つのアルバムを聴いていた事で大体はすんなり耳に入る。ライブの場なのでアレンジも変わるのだけど、それも個人的には面白い。インストが少ない状態では、イメージらしい感じのフォーキーだけど、楽器が多い状態はバンドサウンドと化していて、こういうやり方も阿部芙蓉美のやりたい事なんだろう、と、思う。特に中盤あたりの4月にリリースされる新作からの3曲、その中でも確か「八月」というタイトルの曲はオルタナ気味のロックに聴こえて、何か知らんけど似ているわけでもないのにfra-foaを思い出した。
開演予定の18:00をちょっと過ぎてから始まって、2回のアンコールを含めて約2時間。阿部芙蓉美の歌声、というか、その喋る声も含めて、それを聴いて、オレはまたも阿部芙蓉美に惚れた。多分これから何度も惚れる。
あーそうだ、物販を利用。しかも多分初めて、演奏開始前に物販を利用した。開演予定ちょい前に着いて1本ふかしてドリンクチケットをジーマにして、物販のおねえちゃんが「開場限定の・・・」と言っているのが聴こえて、これはさっさと買っておいたほうが楽だな、と。そのCDシングルとついでに今夜のドラム担当の千住宗臣のなんかアンビエントなミックスをしているらしいCD-Rを購入。そもそもライブ自体にもオマケのCD-Rがあって、なんか結構お楽しみを持ち帰る事になった。
もうちょい付け足す。『ブルーズ』に収録されている「開け放つ窓」の、「あなたの孤独には触れないから」と、『沈黙の恋人』に収録されている「清い正しい美しい」の、「君のいやらしさを待っている」というそれぞれの一節、これにオレはやられてしまう。今夜はその2曲を聴いて、ボーっと、なった。