My Favorite CD (2012 Best10+?)

今年も勝手に考えて勝手に公表。追記で補足。
順位無し 大体、リリース順





・今年のはじめの方に手にしたAcoの『LUCK』は今年一番再生した。一見普通。でも、所々に見えるオルタナ。日本の歌い手としてあの後から何を歌うのかという事も言葉に含まれていて、そして何よりAcoの声が持つ魅力。
・ライブを見て、そのライブが凄くて、その物販でCDを買うとライブの記憶に届かないのでイマイチ再生回数が少ない事があるのだけど、tenelevenの 『teneleven』はそれを回避。多分これはプログレなのだと思うのだけど、この重たいプログレはオレの知る中には見当たらず。完成度が高すぎる、と、すら思う。プログレが苦手のオレまで惹きこんだ作品。
・テクノ的なモノの新しいの、は、あまり聴かなくなった。けど、時々気になる。ので、タワレコなんかで軽くチェックして、「は?、ジューク?、何それ?」って思って手にしたTraxmanの 『Da Mind of Traxman』。まあ、なんかなーなジャケットだし、一聴、アッパーなテクノなのだけど、エレクトロニカ以外で含まれているものが多くて、フロア向け作品のはずなのに、単なるそれじゃなくなってしまっていて、病み付いた。今時だけの作品という感じがするけれど、普遍的かも知らん。
・今の事を考える為にあえてその最初期のところを題材にした、Phew小林エリカのユニットProject UNDARK の『RADIUM girls 2011』は、希望とか救いとか、そういうのが全く無い。ある意味、ハッキリとしたアンチも提示していない。モノ凄くクールに、けど、言いたいことを声と音とパッケージとで、ハッキリと伝えている。
・今年のこのベストのログでセッションものが1つも残らなかった。それはライブの場を聴いていると、そういう録音物を繰り返すという事が殆ど無かった、という結果だと思う。けれど、ジャズの持っているはずの何かを、小埜涼子の 『Undine』が持っていて、まあこれはジャズじゃないかも知らんけど、今年リリースされたそういうものの中で圧倒的に面白かった。ユーモアとアグレッシヴが同居するセンス。しかし、今年はとうとうダウトの作品を2枚入れてしまった・・・。外したsimとかJAZZ非常階段もこのリストに載っていてしかるべきなのだけど、無いのは今の気分というだけの理由。
Bobby Womackの『Bravest Man in the Universe』は多言説明不要。だと思う。R&Bという音楽の1つの完成系。
・リリースされると必ず印象に残るのがMoritz Von Oswald Trioの作品で、新作『Fetch』は、これまでとジャケットの方向性が違ったのでちょっと不安だったのだけど、あけてみると明らかにこれまでの延長線上。しかも、Miles的という部分をトリオという編成で、しかもあくまでもエレクトロニカのバンドという立場で、ジャズとかアヴァンのとこのどれよりも体現している。
・このリストで最もジャズ的というか、ジャズと言い切っていい作品が、Orquesta Libreの 『Can't Help Falling in Love』で、2作同時リリースの、インストの方。フリーとかアヴァンとか、そういうのを多く耳にしてきたけれど、それらが結局その場のインパクトの強さで録音物でそれと同じぐらいの印象を受けにくいのに、Orquesta Libreはライブで聴かせる空気感がキッチリとCDという枠に収まっている。Orquesta Libreは最近はライブの見当たらないBrassticksの発展系だと思うのだけど、そのBrassticksと同じ昼間感が、ジャズというジャンルでは他にはなくて、なのでこれ、実はモノ凄くアグレッシヴな作品だと思う。
・「んー、エピタフからリリースなのか」とか、軽い気分でJimmy Cliffの『Rebirth』は購入した。とにかくレゲの新作が何でもいいから聴きたくて、でもレコファンにそういうものがそうあるわけじゃないのでたまたまあったこれを買って、アホみたいに繰り返す。どちらかというとダブ的なものが得意だったのに、Jimmy Cliffはそんなんじゃない。けど、この大ベテランがただただレゲを歌うというだけのこれが、おおおおってぐらい気持ちよかった。
・今年も多分一番聴いているのはロックという事になるのだけど、しかも色々とリリースされてどれも面白かったのだけど、一番インパクトしたのがZZ Topの『La Futura』だった。ZZなんてMTVの印象しかないのに、なんかこれも何故かアメリカン・レーベルからのリリースというのに妙に引かれて手にしたら、ごっついロック。古くて頑丈しかとりえの無いダンプカーが突然飛び込んできた、とか、思う。このアルバムのせいで、Bob MouldもJSBXもSoundgardenもChirs Robinsonもリストできなかった。別にリストしてもいいんだけど、インパクトがこれが抜きん出てた。
John Fruscianteの『PBX Funicular Intaglio Zone』は、ぶっちゃけ、最初の印象はよくなった。前作があまりにも凄い作品だったので、次作にあたる今作は期待と不安をFruscianteファンは持たざるを得ない状況で、それでリリースされた『PBX』は、なんか肩透かし。という気分。ので、当初はあまり聴いてなかったのだけど、間が空いてなんとなく再生してみると、結局事あるごとに再生するようになった。Fruscianteの好きなエレクトロニカを自分なりで作ったみたってな作品だと思う。けど、そこにはFruscianteのメロディーがあって、これが嵌ってないのに妙に耳に残った。
・現時点で80歳の登川誠仁と、76歳の大城美佐子による『デュエット』は、沖縄、というか、日本が誇るべき至高のデュオ作。歌の深みが増し続ける誠小と、未だに衰えない美佐子ネーネーの美声。参ったか?、オレは参った。
・師走に入って、まさか今年一番アヴァンなものを、Scott Walkerの作品で聴くことになるとは思わなかった。『Bish Bosch』を再生して、最初の1秒ですぐにヤバいと気づく。なんでこのバスドラの連打?とか思って、最後まで予想外の音が終始。インダストリアルという言い方もあるだろうけれど、でも音そのものは生っぽいし、一瞬ラテンなリズムという仕掛けもあったり。それの上でWalkerのあの耽美な歌声・・・。まあとにかくこれはモノ凄くヤバい。
あくまでも今の気分でなので、何故か外れたのもあって、Joe Morrisとか中川敬とかTha Blue Herbなんかがそれで、その新作も再生回数多いのだけど、この3者の場合、新作が出ると古い作品も聴き直してしまって、結局1枚のアルバムの印象とは違ったことになってしまう。ので、なんかわからんくなってきたので外した。それとWireのベスト20に選ばれた不失者の作品とか、結構聴いているのだけど、今年はとにかく灰野敬二という印象は強くて、ここに作品を載せなくてもちゃんと頭の中にあるのでいいか、と。
しかし色んな事があった年、だった。って、多分毎年この時期になるとそう思うのだと思う。ので、まあ、こんな感じで。
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